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2020年の東京五輪後も建設需要は堅調な見通しだ。建設技術者のニーズは依然として高い。維持・修繕など高い技術力を要する業務が増えるなか、資格は転職市場で大きな武器になる。新たな活躍の場を求め、資格を生かして大手企業から独立する人もいる。

 「五輪関連の施設がほぼ出来上がり、建設技術者の需要が落ち込むかと思ったら、今でも求人が増えている」。人材紹介を手掛けるヒューマンタッチ(東京都新宿区)の高本和幸代表はこう話す。厚生労働省の調査によると、建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は2011年の東日本大震災以降、上昇傾向が続き、19年11月には7.34倍を記録した(図1)。

図1■ 有効求人倍率の上昇はいまだ止まらず
図1■ 有効求人倍率の上昇はいまだ止まらず
有効求人倍率の推移。ハローワークにおけるパートタイムを除く常用の有効求人数を同有効求職者数で除した値を示した。厚生労働省の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 インフラの老朽化が進み、維持・修繕の需要はますます増えている。「修繕工事は新築よりも難しいので、より技術レベルの高い人を求める傾向が強まっている」と高本代表は指摘する。技術力の証明手段として、資格は転職市場で大きな意味を持つ。

 特に求人が多いのは、35~45歳くらいの技術者だ。各社とも2000年代に採用を抑制したため、この年代の社員が少ないことが背景にある。

 それに加えて、「中高年の求人が増えている」と話すのは、「建設コンサルタント・技術士人材センター」を運営する建設経営研究所(東京都多摩市)の手塚大地代表だ。以前から若手は大手に取られてしまうので、中小企業の間では中高年技術者の需要が大きかった。しかし、最近は大手も60代を積極的に採用するようになったという。

 「正社員と違い、60歳以上は年契約でいい。雇用し続けなければならない正社員と比べ、企業にとってリスクが小さい」と手塚代表は説明する。

 手塚代表によると、RCCMを複数の分野で持っていると転職に有利だという。既に技術士を持っていても、他分野でRCCMを取得するよう勧める。

 「例えば、鋼構造の技術士で、さらに道路や環境、都市計画などのRCCMを持っていれば、幅広い業務に通じていると示せる。様々な業務に対応できる人は転職市場でニーズが高い」(手塚代表)