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新型コロナウイルス感染症の影響で、筆記試験の日程が2020年9~11月に延期された。準備期間が長くなるチャンスと考え、いま一度、勉強方法を見直そう。試験対策は、専門知識を詰め込むだけでは不十分だ。出題テーマに沿った流れを整理しておく必要がある。(日経コンストラクション)

「必須科目I」がポイント

 2020年度の筆記試験で特に重要なのは、建設部門全てに共通する「必須科目I」だ。配点は40点で、建設部門全体にわたる「専門知識」「応用能力」「問題解決能力」「課題遂行能力」が評価される(図1、2)。

図1■ 技術士第二次試験の筆記試験の出題内容
図1■ 技術士第二次試験の筆記試験の出題内容
(資料:日本技術士会)
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図2■ 必須科目Iの出題内容
図2■ 必須科目Iの出題内容
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 つまり必須科目Iの1問で、「選択科目II」「選択科目III」の試験内容を合わせた範囲を問われるわけだ。専門知識を詰め込むだけでは、対策として不十分といえる。

 必須科目Iで試される専門知識とは、「専門の技術分野の業務に必要で、幅広く適用される原理などに関わる汎用的な専門知識」を指す。「幅広く」「汎用的」というからには、建設部門全体に関わる最大公約数のようなテーマの出題が考えられる。「建設業界の現況と近未来の状況」を述べた上で、応用能力などを示す必要があるのだ。以下に例を挙げる。

 「少子高齢化が建設部門の人材確保に与える影響」「我が国の地理的・地質的要因が災害に与える影響と建設部門において検討すべき内容」「自然災害の激甚化に伴って生じる予測不能な被害への建設部門での対応」「建設部門における情報化や技術革新」「建設部門における働き方改革の在り方」──。このような社会問題とそれが建設業界に与える影響が、専門知識として問われる。

 20年度は、「維持管理」「水害対策」「新技術の導入」「スマートシティー」といったテーマも考えられる。全ての問題に共通するのは、今後の社会資本整備の在り方である。

 対策では、これらの問題に関する知識を記憶するだけでなく、テーマごとに流れを整理する。現況の整理から課題解決の提案に至るまでを一連の展開としてまとめ、あらすじを記述できるようにしよう。

 維持管理をテーマに、あらすじをまとめる例を示す(図3)。専門知識として出典や年次、数値などを含めて記述できれば高得点につながる。

図3■ 必須科目Iのあらすじのまとめ方
図3■ 必須科目Iのあらすじのまとめ方
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 必須科目Iは答案用紙3枚で解答し、60%以上の得点で合格となる。文章を書いた分だけ評価されると考え、最後まで書ききろう。質よりも量で得点を稼ぐという戦略も必要だ。