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新型コロナウイルス感染症の影響で、筆記試験が9~11月に延期された。例年なら試験直前に発行される最新の国土交通白書を使って試験対策を講じるチャンスだ。新たな水害対策の「流域治水」や「事前放流」といった直近の政策の動向を答案に盛り込めば、より高得点を狙える。(日経コンストラクション)

1.筆記試験と国土交通白書

 筆記試験では、必須科目はもちろん、選択科目においても時事的な政策や施策に関する出題が多い。口頭試験でも、建設業界の今後の方向性や新技術の動向など最新の知見を問われるケースがある。

 時事的な政策や施策の方向性を押さえるうえで欠かせないのが、国土交通白書だ。国土交通政策が体系的に整理されており、技術士試験の建設部門における対策資料として欠かせない。

 建設部門の技術者の多くが、「管理技術者として活躍したい」といった目的で技術士の取得を目指す。国土交通省が実務者に技術士資格の保有を求めるのは、国土交通政策を熟知した技術者に仕事を任せたいと思っているからだ。試験では最新の国土交通政策に関する問題が高い確率で出題されている。

 白書の公開は例年、7月中旬に実施する筆記試験の直前なので、その年の参考書としては使いづらかった。しかし、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で筆記試験が延期された。最新の国土交通白書は今年度の試験勉強に役立てられる。

2.国土交通白書の使い方

 国土交通省は6月26日、ウェブサイトで20年版の国土交通白書を概要版とともに公開した(図1)。今後、書籍版も発行する。

図1■ 国土交通白書の入手方法
図1■ 国土交通白書の入手方法
国土交通省のウェブページ上方の「オープンデータ」からアクセスする(資料:国土交通省)
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 白書では、その年の社会資本整備に関する国の政策などをまとめている。半面、方向性が決まっていない政策は掲載されない。つまり、政策の進行状況を把握したうえで、社会資本整備における現在の着眼点を明らかにできる。

 例えば、白書の本文には「平成○年○月の○○審議会からの提言を受けて」といった記述がある。国交省のウェブサイトで該当する審議会を検索すれば、議事録や提言書などを確認できる。白書は、検索時に目録の役割を果たすのだ。議事録などを見ると、その時点での審議事項だけでなく、この先いつごろ、どんな結論が出てくるのかも分かる。

 白書を読めば、政策などを把握して筆記試験の論文に書くべき項目が見えてくる。用語の説明や直近の統計データなども掲載されているので、答案に記述する材料としても使える。

 技術士試験では、受験者の現在の技術力が一定の基準に到達しているかどうかを確かめる。能力を示すには、過去の知識を記述するだけでは不十分だ。昨今の世間の動向を押さえたうえで、自分の意見を持って論述する必要がある。

 20年版の国土交通白書には、19年版に示された政策の成果が報告されている。最新の動向に関する知識を得れば、筆記試験で優位に立てる。