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理系出身の学生にこだわらず、文系出身者も積極的に採用して施工管理を担ってもらう。災害復旧などで活躍する建設業界に興味を持つ学生は理系・文系を問わない。海外事業の拡大などを見据え、外国人留学生の新卒採用も広がっている。

 土留めをはじめとする仮設資材のリースに加え、仮設橋梁や補強土壁などの設計・施工を担うヒロセ(東京都江東区)。同社の採用実績の内訳は少し意外なものだ。

 グループ4社における2019年入社と20年入社予定の総合職はそれぞれ42人と37人。うち19年の33人、20年の22人は文系出身者だ。理系よりも圧倒的に多い。

 同社は鋼矢板などのリース会社として創業。「商社の色合いが濃く、もともと文系出身者が多かった」とヒロセホールディングスの妹尾好輝人事部長は話す。その後、設計や施工も手掛けるようになり、現在は理系と文系の学生を半分ずつ採用するのが理想だと言う。

 だが、理系の学生は建設会社などとの間で獲得競争が激しくなっている。「理系の不足分を文系で補っている状況だ」と妹尾部長は明かす。

 「理系も文系も入社すれば総合職。文系出身者でも現場の施工管理に携わる。現場が分かれば、技術営業などにも生かせる」と同社人事部の高橋祥平主任は話す。営業部門で4カ月、施工部門で3カ月、工場、購買、総務部門で各1カ月ずつ──。文系出身で入社1年目の社員の標準的な研修スケジュールだ。

 「土留めなど工種が限られるので、文系出身者でも勉強すれば施工管理に必要な知識や技術を身に付けられる」と同社経営企画部の森岡正成部長は語る。在籍する1級または2級土木施工管理技士は全社で約280人。うち100人ほどは文系出身者だ。仮設資材のリースだけでなく、材工一式で請け負う工事が増えるなか、施工管理を担える文系出身者は貴重な戦力となっている。

 理系学生の採用は就活サイトからの応募に加え、大学との共同研究などを通して優秀な人材を“1本釣り”するケースもある。一方、文系学生と同社との最初の接点は、街づくり系企業などが集まる合同企業説明会が大半を占める(図1)。

図1■ 文系学生にも分かりやすく説明
図1■ 文系学生にも分かりやすく説明
(写真:ヒロセホールディングス)
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(資料:ヒロセホールディングス)
(資料:ヒロセホールディングス)
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ヒロセは合同企業説明会で土留めの役割や災害復旧時の貢献を説明する(写真・資料:ヒロセホールディングス)
ヒロセは合同企業説明会で土留めの役割や災害復旧時の貢献を説明する(写真・資料:ヒロセホールディングス)
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 「災害復旧や防災工事を通して社会貢献できることに興味を持ってくれる学生が多い」(高橋主任)。採用のミスマッチを防ぐため、具体的な仕事の1つとして施工管理があると個別の説明会や面接で伝えている。