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建設会社などが現場見学会だけで他社と差別化するのは難しく、学生への訴求力にも欠ける。各社独自の取り組みや特徴は何かを見極め、インターンシップや会社説明会で仕事内容や会社の雰囲気を学生に疑似体験してもらおうとする試みが始まっている。

 網や籠を持った学生が川に入って水際の草むらをあさったり、石をめくったりして生き物を探す。一見すると遊びのようだが、実は建設会社のインターンシップの一環だ(写真1)。

写真1■ 加藤建設が2019年9月に実施した1回目のインターンシップの様子。学生らが川の生き物を捕まえる(写真:加藤建設)
写真1■ 加藤建設が2019年9月に実施した1回目のインターンシップの様子。学生らが川の生き物を捕まえる(写真:加藤建設)
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2回目のインターンシップの募集チラシ(資料:加藤建設)
2回目のインターンシップの募集チラシ(資料:加藤建設)
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 実施しているのは、地盤改良のパワーブレンダー工法の開発や施工で名をはせる加藤建設(愛知県蟹江町)。橋や護岸、トンネルなども幅広く手掛ける同社は、「エコミーティング」と呼ぶ独自の活動を実際の工事現場で展開している。

 エコミーティングとは以下のような取り組みだ。

 まずは、着工前の現場を社員みんなで訪問する。そして工事による生物や河川への影響、騒音や振動など近隣住民への影響がどの程度あるのかを確かめる。次に、これらの影響を抑えたり、地域と現場とのコミュニティーづくりで工夫できたりしないかを検討。アイデアを提案書にまとめ、発注者の承認を得て実行する。

 例えば、同社は工事に併せてヨシの生育を妨げていた河川敷の玉石を撤去し、ヨシ原を再生しようと発注者に提案。設計変更が認められ、撤去した玉石を護岸の構築に転用した。工事成績評定で高得点を獲得するなど、発注者の評価は上々だ。

 工事現場の環境配慮は、今やどの建設会社でも当たり前かもしれない。しかし、ビオトープ管理士の資格保有者が全社員の半数を占めるという事実は、加藤建設の本気度を物語る。