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「危険」の代名詞とされてきた山岳トンネルの現場が様変わりしそうだ。薄暗くて狭い坑内では、人と重機とが接触する事故が後を絶たない。AI(人工知能)やビーコンを使って人と重機の動きをデータ化すれば、工場のように安全に共存できる環境をつくり出せる。

 「危険」「汚い」「きつい」の3Kの中でも、解消する必要性が高いのが「危険」だ。山岳トンネルの現場は、その代名詞とされてきた。薄暗くてほこりっぽい坑内で、黙々と発破と掘削を繰り返す。

 地山が露出する切り羽では、表面の土砂や岩が剥がれ落ちる「肌落ち」が生じる恐れがあり、常に死と隣り合わせの印象も拭いきれない。

 そんな中、清水建設・東急建設・森工業JVは山岳トンネルにおける現場の常識を覆し、より安全に働ける坑内環境を実現している。熊本県阿蘇市で施工中の国道57号滝室坂トンネルだ。

 坑内に入るとまず、明るさに驚く。しかも、防じんマスクが不要ではないかと感じるほどほこりが少なく、数十メートル先まで見通せる。切り羽の周辺は、LEDライトと水銀灯を組み合わせた照明装置によってさらに明るい(写真1)。

写真1■ 掘削中の滝室坂トンネルの坑内。切り羽の周辺はほこりっぽさがなく、明るい(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 掘削中の滝室坂トンネルの坑内。切り羽の周辺はほこりっぽさがなく、明るい(写真:日経コンストラクション)
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 一般的な山岳トンネルの工事現場では切り羽周辺の照度が100~150ルクスに対し、この現場は200ルクス程度ある。明るくて作業しやすく、異常なども見つけやすい。

 作業音がうるさい坑内で情報が即座に伝わるよう、照明の色の変化で警告する仕掛けも採用した。切り羽付近の作業エリアに許可していない作業員が入ったり、重機のオペレーターが切り羽の異常を察知して信号を送ると、照明が赤色に切り替わる(写真2)。

写真2■ 異常を検知すると、坑内を照らすライトが白色から赤色に切り替わる。作業音がうるさくても危険を直感的に伝えられる(写真:日経コンストラクション)
写真2■ 異常を検知すると、坑内を照らすライトが白色から赤色に切り替わる。作業音がうるさくても危険を直感的に伝えられる(写真:日経コンストラクション)
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