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国よりも最低制限価格の基準を高く設定する新潟県が、見直しの検討を始めた。深刻な財政難の下、庁内外で落札額の引き下げを迫られているからだ。国の基準を採用して成果を上げた県警本部の取り組みが引き金となった。

 公共工事の品質確保や担い手の育成などを理由に、これまで長らく引き上げが続いてきた最低制限価格。ところが新潟県では、それが行き過ぎたのではないかとして、引き下げを迫られている。

 「予定価格の91%以上」という現行の基準から、国の低入札価格調査基準である「75~92%」への変更も視野に入れる。2020年度中に実現すれば、9年ぶりの改正となる。

 県で最低制限価格の見直し議論をリードしてきたのは、警察本部だ(写真1)。県警は19年6月、県の独自基準から国の基準に準拠するよう制度を改めた(図1)。「入札の競争性を高め、落札率を引き下げる必要があった」と、県警会計課の角張正幸会計管理官は説明する。

写真1■ 新潟県警察本部が最低制限価格の見直し議論をリードした(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 新潟県警察本部が最低制限価格の見直し議論をリードした(写真:日経コンストラクション)
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図1■ 最低制限価格を国よりも高めに設定
新潟県
設定範囲 予定価格の91%以上 予定価格の75~92%
計算式 直接工事費×1.00 直接工事費×0.97
共通仮設費×1.00 共通仮設費×0.90
現場管理費×0.80 現場管理費×0.90
一般管理費×0.30 一般管理費×0.55
最低制限価格などに関する新潟県と国の比較。県警は国のモデルに合わせた。新潟県と国土交通省の資料を基に日経コンストラクションが作成

 県警の発注工事では、全ての参加者の入札価格が最低制限価格に張り付き、くじ引きで落札者を決めるケースが多かった。信号機など交通安全施設の工事では、年間に150件ほど入札を実施している。うち約7割が最低制限価格と同額の落札だった。

 県の最低制限価格の基準は、土木部が11年度に建設会社の経営安定などを目的に設定。農林水産部と農地部、交通政策局の3部局が準用している。これら「公共4部局」の発注分は県工事の大半を占める。そのため、土木部の最低制限価格が事実上、県の基準となっている。県警も以前は同基準を採用していた。