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 2019年に期末を迎えた決算では、7割に上る建設コンサルタント会社が前期に比べて増収となった。日経コンストラクションが20年2月に主要な建設コンサルタント会社を対象に実施した調査からは、相変わらずの好調ぶりがうかがえた(「決算調査の概要と表の見方」、「建設コンサルタント部門売上高ランキング(決算内容一覧)」を参照)。

 「20年も引き続き好調を維持する見通し」だったはずだが、そこに待ったをかけたのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。米国や欧州をはじめ、各国が感染対策として外出や入国を制限。世界経済が急速に冷え込んでいる。

 上場している建設コンサルタント会社の売上高上位5社の平均株価は、感染拡大前の4カ月で1.5倍近くに伸びていた。ところが、20年1月31日に世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発令したのを境に急落(図1)。下落率は、大手建設会社4社の平均を上回る。防災・減災対策や災害復旧などの潤沢な予算を背景に活況が続いていただけあって、反動は大きい。

図1■ 「コロナショック」で株価が急落
図1■ 「コロナショック」で株価が急落
2019年11月1日を基準として株価の増減率を示した。建設コンサルタント会社の株価は、日本工営、建設技術研究所、オリエンタルコンサルタンツホールディングス、E・Jホールディングス、いであの5社の終値を平均。上場先はオリエンタルコンサルタンツホールディングスのみJASDAQで、それ以外の4社は東証1部。建設会社の株価は大成建設、鹿島、清水建設、大林組の平均。4社の上場先は東証1部
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 民間や海外の事業に力を入れている建設コンサルタント会社は、苦境に立たされる恐れがある。既に、民間企業からの発注が先送りになるなど影響が出ているという(図2)。

図2■ 住民説明会の中止など業務に影響
図2■ 住民説明会の中止など業務に影響
2020年3月中旬から下旬にかけて、建設コンサルタント会社に新型コロナウイルスが業務や業績に与える影響を尋ねた。取材を基に日経コンストラクションが作成
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 感染者の増加が著しい海外の売り上げは、さらに危機的な状況だ。エイト日本技術開発の小谷裕司社長は、「入国制限や外出禁止が求められている地域では業務を進めるのが難しく、ストップせざるを得ない」と話す。