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日経クロステックでは、建設系の国家資格における不正取得の実態を独自に調査した。虚偽の申請が相次ぐ実務経験について、自身の申告状況や周囲の不正実態を尋ねた。自身の実務経験を偽ったという回答が最も多かったのは、1級土木施工管理技士だった。

 大和ハウス工業や東レの子会社の社員が国家資格である施工管理技士を不正な手段で取得していた問題が、2019年末から20年3月にかけて相次いで発覚した。

 1級土木施工管理技士や1級建築施工管理技士の資格は、下請けに出す工事金額が一定額以上の場合に必要となる監理技術者の要件になっている。さらに、これらの資格は建設業許可の取得や、建設会社の入札格付けを決める経営事項審査の加点に寄与する。建設会社にとって、業務に不可欠な資格だ。

 建築設計では建築士、公共土木工事の設計では技術士といったように、建設産業には資格を求められる仕事が多い。これらの資格の多くは、その取得要件に設計や施工といった実務の経験を課している。大和ハウス工業や東レの子会社の社員による不正取得では、この実務経験に虚偽やルールを無視した記載があった。

 そこで、日経クロステックでは、建設関連の主要国家資格について、実務経験の虚偽申請に基づく受験の有無を尋ねる、独自のアンケートを実施した。調査期間は2020年3月30日~4月6日で、インターネット上で回答を求めた。

 回答者数は1301人で、その主な勤務先は、総合建設会社、専門建設会社、建築設計事務所、建設コンサルタント会社、住宅会社・工務店、国・地方自治体だ。

 アンケートでは、主要な国家資格について実務経験を偽って受験した人が周囲にいるか否かを尋ねた。すると、技術士(建設部門)で4.4%、1級土木施工管理技士で11.1%の回答者が、それぞれ周囲に実務経験を偽った人がいると答えた(図1)。

図1■ 技術士建設部門も5%近くに
図1■ 技術士建設部門も5%近くに
提示する国家資格の試験を受験する際に実務経験を偽った人が周囲にいると回答した割合。回答者数は1301人(資料:日経クロステック)
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[調査概要]

 アンケートは2020年3月30日~4月6日にかけて、日経クロステックの読者を対象に実施した。回答者数は1301人。回答者の勤務先業種の内訳は以下のとおり。総合建設会社25.6%、専門建設会社7.5%、住宅会社・工務店8.9%、建築設計事務所22.3%、建設コンサルタント会社17.4%、国・地方自治体4.8%、公共インフラ企業2.3%、資材・建材メーカー1.9%、その他9.2%

 回答者の職種(複数職種を担う場合は複数回答)は、設計・監理49.9%、企画・計画22.2%、経営20.6%、施工20.3%、営業12.6%、施設管理・保守8.2%、研究・開発6.2%、その他9.1%となっていた。

 勤務先の従業員数は、1001人以上が24.6%、501~1000人が9.7%、101~500人が17.9%、51~100人が8.5%、11~50人が15.8%、1~10人が23.5%だった。