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新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、急速に導入が進んだテレワーク。在宅で効率良く仕事をこなすために必要な環境整備を紹介する。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために余儀なくされた外出自粛。急な在宅勤務に戸惑う組織は多い。テレワークを始める前提として、ビデオ会議やウェブ会議、チャット、インターネット電話といったコミュニケーション用ツールと、自宅のネットワーク環境が欠かせない。

 以前からテレワークに備えてきた組織であれば、緊急事態宣言が出た後にそれほど慌てずに済んだはずだ。しかし、ハードもソフトも通信環境も整わない中で在宅勤務を命じた場合は違う。組織のスタッフは、自分のパソコンや家庭で契約したネットワークを使わざるを得ない。

 在宅勤務が長期化しそうな状況を踏まえると、組織がテレワーク環境の整備に投資するか、スタッフに通信費や光熱費などの「テレワーク補助」を実施すべきだ。国や自治体の助成金が使える場合もある。

 建設業界の仕事には関係者が多い。利用する端末も、ITリテラシーの高さも、組織や個人による差が大きい。テレワークの対象とする人と業務をどこまで拡大するのかは、組織や目的に応じて異なる。

ズームはセキュリティーに留意

 簡単なやり取りであれば、フェイスブック(Facebook)メッセンジャーやライン(LINE)、ツイッター(Twitter)でも、複数人をグループ化すれば可能だ。しかし、これらは通常のビジネス利用よりも、個人が急ぎの連絡で使う方が適している。

 在宅勤務の拡大に伴って、複数人によるビデオ通話を可能にするツールが、急速に利用者を増やしている。チャットワーク(Chatwork)、フェイスタイム(FaceTime)、スカイプ(Skype)、スラック(Slack)、チームズ(Teams)、ズーム(Zoom)などが、主な製品やサービスだ(図1)。ライセンス体系や一度に参加できる人数などが異なる。

図1■ 豊富なツールからどれを選ぶか
図1■ 豊富なツールからどれを選ぶか
テレワークで使える主なコミュニケーションツールを示した(資料:日経クロステック)
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チームズで議論しているイメージ(資料:日経クロステック)
チームズで議論しているイメージ(資料:日経クロステック)
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 利用者の獲得に向けて、期間限定で無償利用が可能なサービスも増えている。導入前に利用条件は必ず確認する。注意したいのは、セキュリティーの問題だ。米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのビデオ会議であるズームは、利用者が爆発的に増えた。「ズームの参加者同士で図面を見ながら話し合うのは効率的」との声がある。設計者や施工者に役立つツールだ。

 ところが、ズームではセキュリティーの脆弱性が次々と露呈した。複数の建設会社などに確認したところ、安全性を考慮してズームの利用を制限している会社もあった。当面は、利便性と安全性のバランスを見ながら、簡単なミーティングなどでズームを利用すればいい。

 こうした運用ルールは1人の従業員の考えではなく、組織のトップやセキュリティー管理者が責任を持つ「セキュリティーポリシー」に照らして判断すべきだ。とはいえ、急なテレワークの開始で、組織のルールが整備できていないケースも多いだろう。運用しながら、早急にルールを固めていく必要がある。

 セキュリティー対策として、組織と自宅をつなぐ、VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク、仮想私設網)の整備も不可欠だ。こちらも無償サービスが提供されるなど、選択肢は増えている。

 注意が要るのは、VPNを使った途端に画面の動作が遅くなったり、特定のアプリが使えなくなったりといった現象が起こる恐れがある点だ。ただでさえ動作が重くなる設計ソフトや図面データをストレスなく動かせるテレワーク環境の整備は、多くの組織で今後の課題になるだろう。