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建設業界の仕事で欠かせない情報は図面だ。遠隔で図面データを共有する際のストレス軽減策などを示す。

 コロナ禍の状況下では、在宅する技術者間、オフィスと現場事務所との間などで図面の共有が欠かせない。

 今はインターネット上のサーバーにあるソフトやデータを、場所を問わずに使えるクラウドサービスが充実している。図面データを共有できるサービスでは、クラウドの利用が当たり前だ。ズーム(Zoom)やチームズ(Teams)、スカイプ(Skype)などを導入しつつ、図面共有のサービスを併用する建設会社は多い。

 CADで作製した図面データを共有したい場合はどうするか。例えば、利用者が多い米オートデスクのオートCAD(AutoCAD)は、DWGファイルをウェブブラウザーから編集、作製、表示できるAutoCAD Webアプリで対応する。在宅勤務だけでなく、現場作業にも役立つ(図1)。

図1■ どんな端末でもアクセス可能に
図1■ どんな端末でもアクセス可能に
AutoCAD Web アプリを使えば、自宅でも工事現場でも客先でも、図面を見られる。AutoCAD モバイルアプリでスマホなどからアクセスできる(資料:オートデスク)
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 2020年4月16日に国内販売が始まった最新版のAutoCAD 2021では、ウェブアプリと米グーグルのオンラインストレージであるGoogleドライブが連携できるようになった。

 オンラインストレージサービスは、図面や現場写真のような大容量データなどを、社内外の関係者と共有するには好都合だ。竹中工務店はボックスジャパン(Box Japan、東京都千代田区)のクラウドストレージサービス、ボックス(Box)を使う。

 他にも、マイクロソフトのワンドライブ(OneDrive)や、ドロップボックスジャパン(東京都中央区)のドロップボックス(Dropbox)といったオンラインストレージがある。マイクロソフト製品やグーグルのサービスを利用している会社は、同じベンダーのサービスを使うのも手だ。

 ドロップボックスと連携できる図面・現場施設管理ソフトには、例えば、レゴリス(東京都豊島区)のスパイダープラス(SPIDERPLUS)がある。図面データや写真を米アップル(Apple)のiPadなどに取り込んで現場で閲覧したり、手書き文字やメッセージを書き込んだりできる。操作が簡単で、直観的に分かりやすい。

3密の防止にも有効

 長谷工コーポレーションは19年から、マンションの最終検査業務にスパイダープラスを使っている。各住戸で検査すべき設備をiPadの図面に表示する。図面データや位置情報は、NYKシステムズ(東京都中央区)の設備設計向け3次元CADソフトのレブロ(Rebro)から取り込む。

 長谷工の場合、2人1組で実施していた検査業務を1人でこなせる場面が出てきた。こうした効率化は結果的に、密閉に近い空間で担当者同士の濃厚接触を防ぐうえでも有効だ。

 図面を通したコミュニケーションでは、CAD図面などをいったんPDF形式に変換して検討作業を進めるケースも多い。その際に便利なのは、タブレットとタッチペンの利用だ。複数の設計者が勧めるのが、iPadとその専用ペンのアップルペンシル(Apple Pencil)である。