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油圧ショベルのメーカーを問わず、後付けでICT施工を可能にする格安の「キット」が開発された。全体の98%に上るICT機能を持たない建機を生まれ変わらせる“最終兵器”となるか。

(イラスト:山田 タクヒロ)
(イラスト:山田 タクヒロ)

 建設現場の生産性の2割向上を目標に、国土交通省が2016年度から進めている施策「i-Construction」。3本柱の1つに、事業プロセスにおけるICT(情報通信技術)の全面的な導入がある。

 中でも代表的なのがICT施工だ。日経コンストラクションでもダムやトンネル、造成など数々の大規模現場における先進事例を伝えてきた。

 一方で、ICT施工に用いる建機は高価で扱いが難しいため、地方の中小企業ほど導入を迷うケースが少なくなかった。だが、そんな状況も大きく変わる可能性がある。建機メーカーのコマツが20年3月に、この問題を解決する「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」を公表したからだ。

 GNSS(衛星を用いた測位システムの総称)アンテナやセンサー、コントローラーなどの機器を建機に取り付けるだけで、単なる油圧ショベルがICT建機に生まれ変わる(図1)。それもコマツ製か否かを問わない。

図1■ 後付けによって建機のデジタル化を実現
図1■ 後付けによって建機のデジタル化を実現
スマートコンストラクション・レトロフィットキットを搭載した油圧ショベル(写真・資料:コマツ)
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 取り付け費を除く価格は、わずか70万円だ。一般的に国内の主力機種である20t級の油圧ショベルは、中古価格で約500万円。それを改造してICT化すると、1000万円を下らない。地方の建設会社にはなかなか手が届かない額だった。

 ICT機能を有していない建機は、国内で稼働する総台数の98%以上だ。同社が開発した技術の市場は極めて大きい。