2020年度の通常予算を組んだ785市区の一般会計総額は19年度比で1.1%増加する。インフラの維持や防災・減災の取り組みは喫緊の課題だ。一方、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの自治体で税収が下振れする可能性が高まっている。限られた予算をどこに割り振るのか、難しいかじ取りが迫られる。

特集
老朽化対策待ったなし
市区予算調査2020
目次
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緊縮財政で投資的経費は1.2%減
全国792市と東京23区のうち、2020年度の通常予算を組んだ785市区の一般会計総額は51兆3071億円で、19年度に比べて1.1%増加する。日本経済新聞社の専門誌「日経グローカル」が20年2月から4月にかけて実施した調査で明らかになった。
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道路よりも水道を優先
相次ぐ自然災害への備えと一斉に更新期を迎えたインフラの老朽化対策。住民の命に直結するだけに、市区にとって避けて通れない政策の1つだ。2020年度の通常予算を組んだ785市区は、水道の老朽化対策に前年度比5.1%増の総額6085億円を投じる。
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SDGsで百花繚乱の施策
「住み続けられる街づくりを」。国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」の1つだ。目標の達成に向けて、連続立体交差事業や「道の駅」の計画が各地で進む。少子高齢化などを見据え、交通分野の施策も目立つようになってきた。
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青森と津で普通建設事業費が4割減
全国の政令市と県庁所在市を合わせた51市のうち、骨格予算を組んだ大津市と徳島市を除く49市における2020年度の一般会計総額は、19年度比で0.4%増となる18兆6666億円。うち普通建設事業費も49市の総額で0.1%増の2兆1257億円となる。一方、青森市や津市のように、事業の進捗などで普通建設…