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北陸新幹線の九頭竜川橋梁は、新幹線で初めて下部工を道路と共用する。鉄道と道路の橋脚を別々に造るよりも、コストを2億5000万円削減できる。道路の凍結防止剤散布に備え、新幹線の桁にも塩害対策として表面含浸材を塗布した。

 橋長414m、最大支間65mで7径間連続プレストレスト・コンクリート(PC)箱桁橋の九頭竜川橋梁は、下部工を道路と共用した鉄道・道路の一体橋だ。在来線ではつくばエクスプレスの利根川橋梁などが下部工を道路と共用しているものの、新幹線では初の事例となる。下部工と鉄道の上部工は鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、道路の上部工は福井県がそれぞれ事業主体となって整備を進めている(写真1)。

写真1■ 福井駅から北に約5kmの地点に架かる九頭竜川橋梁。先に完成した新幹線のPC箱桁の両側に、県道の桁を架設する。2019年12月撮影(写真:大村 拓也)
写真1■ 福井駅から北に約5kmの地点に架かる九頭竜川橋梁。先に完成した新幹線のPC箱桁の両側に、県道の桁を架設する。2019年12月撮影(写真:大村 拓也)
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 県は九頭竜川渡河部の渋滞対策などを目的に、北陸新幹線のルート付近に県道の整備を計画していた。県道は約4kmの区間にわたって新幹線と並走する。

 下部工を共用することになった理由は主に2つある。1つは建設コストを削減できるからだ。

 幅14mの新幹線の橋脚と、同23.5mの県道4車線分の橋脚を別々に造るよりも、幅35m程度の橋脚を造って共用した方が2億5000万円ほど安価になるという。一体化で仮設工事費が減らせるうえ、近接施工に伴う対策工事が不要になるからだ。

 もう1つの理由は、複数並んだ橋脚による河床の洗掘など河川環境への影響を抑えられるから。周辺はアラレガコと呼ぶ魚類の生息地として、国が天然記念物に指定している。