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建機の遠隔操作技術は、特殊な重機や設備、安定した通信環境などが必要で普及が進んでいない。ロボットの遠隔操作技術を開発するスタートアップが、この課題に挑んでいる。キーテクノロジーはVRとAIだ。

 建機の遠隔操作は、建設業界の人手不足の解消や、今回のコロナ禍に見られるような感染リスク回避といった課題を解決する有力な手段だ。

 しかし、その普及は進んでおらず、災害復旧現場などで大手建設会社が導入するようなケースにとどまっている。複雑で高額な機器を要するうえ、通信遅延など技術的課題も存在し、効率が上がらないからだ。

 この課題をVR(仮想現実)やAI(人工知能)を取り入れた独自技術で解決しようと考えるスタートアップがある。ロボットの遠隔操作技術を開発するSE4(エスイーフォー)(東京都台東区)だ。

 距離や通信環境を問わず、遅延の影響を受けずにロボットを操作できる遠隔制御のプラットフォームを創る──。エスイーフォーは2018年9月の起業の際、こんな企業コンセプトを掲げた。具現化したのがVRベースの遠隔操作システムだ。

 このシステムは、遠隔地のロボットをVRで操るという異色のアイデアに基づく。ユーザーは、ロボットの周辺を再現したVR空間から直感的な操作で作業内容や作業条件を伝える。ロボットはその指示を踏まえ、AIを用いて自律的に作業を行う。

 従来の遠隔操作システムは、例えば建機の場合、ユーザーが建機のコックピットを模した装置を操作し、その操作に同期して建機が動くといった仕組みが一般的だ。それに対して同社のシステムではユーザーは作業指示を出すだけ。建機は指示を自分で解釈し、自律的に作業する。