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書類作成や写真整理など、現場の雑務にうんざりしていた建設技術者が、「何とかしたい」の一念で管理ソフトを自作、起業した。クラウドサービスを活用して使い勝手を向上。採用現場数は5万に及ぶ。

 建設の世界を限りなくスマートにする──。こんなミッションを自ら掲げ、現場の生産性向上に向けたクラウドサービスを展開するスタートアップがある。2016年に起業したフォトラクション(東京都中央区)だ。

 サービス名は社名と同じ「Photoruction(フォトラクション)」。工事写真や図面、工程表、TO DOリストなど、現場管理に必要な情報をクラウドで一元管理できる(図1)。

図1■ 現場の情報をクラウドで一元管理
図1■ 現場の情報をクラウドで一元管理
現場写真や図面、帳票類、工程表、書類など、工事運営に関連するデータを、クラウド上で一元管理する。ユーザーはクラウドに直接アクセスしてデータを入力・編集できるので、常に最新のデータを共有できる。蓄積されたデータは、資料の作成や電子納品、帳票作成などに活用できる他、別の現場にも生かせる(資料:フォトラクション)
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 創業者の1人、中島貴春代表取締役CEO(写真1)は竹中工務店の出身だ。大規模建築の現場監督やIT系の部署で生産システムの企画や調達、開発などを担当した。在籍期間は13年からの約3年間だったが、そこでの経験が起業につながった。

写真1■ 大手建設会社で大規模建築の現場監督を務めた経験を持つ中島貴春代表取締役CEO。そこで感じ取ったニーズが起業のエンジンとなった。ミッションとして掲げるのは、「建設の世界を限りなくスマートにする」だ(写真:フォトラクション)
写真1■ 大手建設会社で大規模建築の現場監督を務めた経験を持つ中島貴春代表取締役CEO。そこで感じ取ったニーズが起業のエンジンとなった。ミッションとして掲げるのは、「建設の世界を限りなくスマートにする」だ(写真:フォトラクション)
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 「現場から事務所に戻ってから、1~2時間もかかる写真や書類などの整理が本当に嫌だった。雑務に追われる時間を、建築の質の向上に使いたい。私たちのサービスには、そんな思いが込められている」。中島CEOは事務所での雑務に追われた日々を振り返り、こう話す。