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橋のたわみ量の常時モニタリングはデータの蓄積などの利点があるが、コストが高い。そこで、計測する時だけセンサーを持ち込むモニタリング技術の開発が進んでいる。橋の安全性に直結するたわみは、中小規模の橋の点検でこそ力を発揮する。

 モニタリング技術の用途は、常時の計測だけにとどまらない。計測頻度が1年に1回でも、橋の挙動を把握して目視点検を補助するうえでは効果的だ。

 東京工業大学発のベンチャーで橋のモニタリングに取り組んできたTTES(東京都目黒区)は、歩道や車道脇に置くだけでたわみを計測可能なセンサーを開発した(図12)。

図1■ 計測時だけ橋に設置する
図1■ 計測時だけ橋に設置する
センサーを常時設置する必要がないので費用が安く済む(資料:TTES)
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図2■ センサーの操作はシンプル
図2■ センサーの操作はシンプル
作業者はボタンを押して、荷重車を走らせるだけ(資料:TTES)
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 縦横15cm程度の直方体形のセンサーに電源を入れたうえで、橋面に重さ8tの荷重車を走らせ、橋桁の振動を時刻歴の加速度として計測。たわみに変換し、携帯電話回線でクラウドに伝送する(写真12)。自治体が管理する単純桁の橋が主な対象だ。

写真1■ 装置は橋の歩道や車道脇に設置する(写真:TTES)
写真1■ 装置は橋の歩道や車道脇に設置する(写真:TTES)
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写真2■ 装置を設置後、重さ8tの荷重車で走行してたわみを計測(写真:TTES)
写真2■ 装置を設置後、重さ8tの荷重車で走行してたわみを計測(写真:TTES)
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 荷重車の移動時間を含め、1橋当たりの計測時間は15分程度。浜松市で実施した試行では、山間部を含めて1日に32橋を計測した。センサーや荷重車は、計測時にレンタルすればよいので費用は安く済む。