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岩手県発注の設計業務でパシフィックコンサルタンツが構造計算を誤り、建設コンサルタント会社が是正工事を建設会社に発注するという異例の事態を日経コンストラクションがスクープした。設計の受注額を大幅に上回る費用を負担することになりそうだ。

 「避難のための橋をつくっています」。定置網漁やカキ、ホタテの養殖が盛んな岩手県陸前高田市の六ケ浦(むつがうら)漁港。東日本大震災以降、防潮堤のかさ上げ工事が進む一画に、こんな工事看板が立っている(写真1)。

写真1■ 是正工事を知らせる工事看板。岩手県の事業だが、発注者は「パシフィックコンサルタンツ」となっている(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 是正工事を知らせる工事看板。岩手県の事業だが、発注者は「パシフィックコンサルタンツ」となっている(写真:日経コンストラクション)
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 この看板に書かれた工事の発注者はパシフィックコンサルタンツだ。同社が佐藤組(岩手県北上市)とピーエス三菱に工事を発注した。佐藤組は「連絡橋上部工撤去」と「連絡橋単独橋脚構築」を、ピーエス三菱は「連絡橋上部工再構築」を担う。

 橋の上部工を撤去して再構築する。つまり、大掛かりな是正工事を実施するわけだ。原因はパシフィックコンサルタンツの設計ミスにある。

 同社が六ケ浦漁港に整備する津波避難誘導デッキの概略設計と詳細設計を岩手県から2014万4000円で受託したのは2014年。地上から約8mの高さに鉄筋コンクリート造の人工地盤を設ける(図1)。

図1■ 漁業者の避難ルートを作る
図1■ 漁業者の避難ルートを作る
津波避難誘導デッキの完成予想図。左側のスロープなどで人工地盤に上がったり、奥の連絡橋を渡って人工地盤から直接、山側に逃げたりできる。人工地盤は長さ62m、幅17mの広さがある(資料:岩手県)
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 普段は人工地盤で覆われた1階部分を養殖などの作業に、2階部分を駐車場として使う。地震で津波が発生した場合は、漁業者などが最寄りの階段やスロープを使って人工地盤の2階へ避難。さらに、人工地盤と背後の防潮堤との間に架けた連絡橋を渡って山側に素早く逃げる。