全1403文字
PR

 設計ミスはいつ見つかるか。国土交通省の調査によると、最も多いのは「施工中」だ。工事完了後に見つかったケースを合わせると、全体の46%が着工前にミスを発見できなかったことになる(図1)。

図1■ ミスの半数近くが着工後に発覚
図1■ ミスの半数近くが着工後に発覚
設計ミスの発見時期。国土交通省が2009年に建設コンサルタンツ協会を通して調査を実施し、85社から回答を得た。国交省の資料を基に日経コンストラクションが作成
[画像のクリックで拡大表示]

 施工者が設計ミスを最初に見つけるケースは全体の33%。発注者が見つけるケースも30%に上る。対して、建設コンサルタント会社内で設計者以外の技術者が見つけるケースは20%にとどまり、問題の深刻さがうかがえる。

 ミスの発見が遅れると、構造物の施工が途中まで進んだり、完成したりしてしまう。是正工事に大きな手間と追加費用が発生することは想像に難くない。

 ミスの内容は多岐にわたる。単純ミスだけでなく、技術的な判断の誤りや設計者の理解不足に起因するミスも少なくない。

 設計者と発注者、工事を受注した施工者が、設計の考え方や施工上の注意点などを話し合う「三者会議」。国交省が2014年度に三者会議を実施した1524業務のうち、約4割に当たる581業務で設計に何らかの不具合が見つかった。

 最も多いのは、構造図や配筋図などの図面作成ミス。次いで、現場条件の設定ミス(図2)。1つの業務に複数のミスが重なるケースもある。

図2■ 頻発する図面作成ミス
図2■ 頻発する図面作成ミス
国交省が2014年度に実施した三者会議で見つかった詳細設計業務の不具合。1524業務を対象に集計した。国交省の資料を基に日経コンストラクションが作成
[画像のクリックで拡大表示]

 「排水計画が現地の状況に合致せず、図面の修正が必要になった」「仮設土留めのH形鋼の切り梁が、躯体のコンクリート打設後に撤去できない位置だった」「地下水位よりも下に設置するカルバートの浮き上がりに対する安定照査が適切に実施されておらず、再計算しなければならない」。こうした指摘が挙がったという。

 国交省はどのような要因で設計ミスが生じたのかについても調査・分析している。ミスが見つかった業務の66%は、1、2人という少人数で設計を進めていた。しかも、担当技術者の67%は3~5件程度の業務を掛け持ちしている状態だった。