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 「国の方針だから実施しているのではない。自分たちのためになるから取り組んでいる」。i-Constructionの導入やICT(情報通信技術)の活用について、清水建設の谷村浩輔氏はこう信念を語る(写真1)。

写真1■ 二色トンネルの工事現場に立つ谷村浩輔氏(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 二色トンネルの工事現場に立つ谷村浩輔氏(写真:日経コンストラクション)
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 2011年以降、複数の山岳トンネルの工事現場を経験。19年3月から、国土交通省近畿地方整備局が発注する「すさみ串本道路二色トンネル」(延長365m)の工事現場で、自身初となる現場代理人を務める。社内で山岳トンネル技術者のホープの1人と目されるが、「トンネル工事は当初、どちらかといえば嫌いな工種だった」と打ち明ける。

 暗く粉じんが立ち込めている劣悪な現場環境。完成後は一瞬のうちに通り過ぎてしまい、工事の成果が見えにくい──。そのようなトンネル工事の宿命に共感できなかった。

 しかし、土木技術本部技術開発グループで新技術の開発などの実績を積み重ねるうちに、トンネルの現場に抱いていたイメージが好転していった。

 谷村氏は、建設システムの「生産性向上」を目指す取り組みであるi-Constructionを、「現場の仕事を楽にするもの」と解釈する。いいイメージが乏しかった現場を「少しでもかっこよく、快適にしたい」との思いが、新しい技術を開発して実用化する動きを加速させてきた。