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 建設業界でi-Constructionが広まるにつれて、ICT企業と組んでソフトウエアなどを開発する建設会社が増えている。ただ、その開発の過程は可視化が難しいうえ専門性が高く、建設会社にとっては“ブラックボックス”になりがちだ。

 使い勝手の良いソフトを開発するには物怖じせず、ICT企業と二人三脚で挑む人材が担当者として適任といえる。三井住友建設の高岡怜氏は、まさにそんな人材像の若手だ。3次元点群データによる橋梁部材の出来形検測システムの開発を担当している(写真1図1)。

写真1■ 三井住友建設の高岡怜氏。手前にあるのは出来形検測システムに用いるレーザースキャナーなどの機器(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 三井住友建設の高岡怜氏。手前にあるのは出来形検測システムに用いるレーザースキャナーなどの機器(写真:日経コンストラクション)
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図1■ 橋梁断面の形状を3次元で記録
図1■ 橋梁断面の形状を3次元で記録
レーザースキャナーを用いて取得した点群データから橋梁断面の形状を3次元で記録できる(資料:三井住友建設)
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 共同で開発に携わるエリジオン(浜松市)の平岡卓爾・プロダクトマーケティングプロジェクトマネージャーは、高岡氏を次のように評する。「ソフトの数学的ロジックを理解して自分でも手を動かしてくれる。使い勝手の良いシステムを目指して、工事現場の声を取り入れる役割も果たす」

 もともと、製造業向けの生産設備を対象とした3次元CADソフトの開発で成長してきた同社。製造業と違って一品生産であり、全て図面通りに造れるわけではない建設業向けのソフトの開発は、「学びながら進める面がある事業」と平岡マネージャーは明かす。高岡氏の積極的な取り組みの姿勢が奏功して、両社が互いに学び合いながら事業を進める良好な関係を維持できている。

 ICT企業からの評価が高い高岡氏だが、実はICTについては当初、むしろ苦手意識が強かったという。