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 「東京でAI(人工知能)の研究開発をやってみないか」。2017年初夏、当時の上司から告げられたひと言が、建設技術研究所国土文化研究所で研究員を務める山脇正嗣氏にとって転機となった(写真1)。

写真1■ 建設技術研究所国土文化研究所インテリジェンスサービスプラットフォーム研究員(主幹)の山脇正嗣氏(写真:三上 美絵)
写真1■ 建設技術研究所国土文化研究所インテリジェンスサービスプラットフォーム研究員(主幹)の山脇正嗣氏(写真:三上 美絵)
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 1983年生まれの山脇氏は、いわゆる「ファミコン世代」。ソフトの仕組みに興味を持ち、大学では情報工学を学んで博士過程へ進む。学問の道の追究も考えたが、研究者のポストは少なく頭打ち。就職して自らの知見を企業で生かす道を選択した。

 「建設コンサルタントならば、防災分野のシミュレーションなどで学んだことが役立つと思った」と山脇氏は振り返る。

 しかし社会人になり、大阪本社で主に担当を任されたのは、道路や河川の監視カメラ、照明といった設備機器の設計だった。「建設コンサルタントの基本を身に付けられた」(山脇氏)とはいえ、博士過程まで学んできたプログラミングはまるで役に立たなかった。

 そんな中、入社5年目に冒頭の異動話が降って湧く。山脇氏は東京本社への転勤を決意。AIの研究・開発という花形の仕事に関わることになる。18年にはAIソリューション室が創設され、初代リーダーとなる。