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 最近、「シビックテック」という言葉を耳にする機会が増えた。IT(情報技術)を活用して、市民自らが社会や地域の課題解決を目指す活動だ。

 パシフィックコンサルタンツから土木研究所へ出向中の榎本真美氏は、日本におけるシビックテックの黎明期からその活動に従事してきた1人だ(写真1)。

写真1■ 現在は交流研究員として土木研究所に出向しているパシフィックコンサルタンツの榎本真美氏(写真:三上 美絵)
写真1■ 現在は交流研究員として土木研究所に出向しているパシフィックコンサルタンツの榎本真美氏(写真:三上 美絵)
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 2013年に、シビックテックのコミュニティーであるCode for Japan(コード・フォー・ジャパン)へ参加。待機児童や特定の飼い主がいない「地域猫」など東京での悩ましい課題に取り組むため、仲間とCode for Tokyo(コード・フォー・トウキョウ)を立ち上げた。

 そこでは、東京23区内の保育園を地図にプロットした「Tokyo保育園マップ」を作成。それまで、各区の境界を越えて保育園の情報を一覧する手段はなかった。

 「『保育園落ちた日本死ね』というSNS(交流サイト)の投稿が話題になるなど、困っている人はたくさんいる。何とかできないかと思った」と榎本氏は振り返る。保育園のオープンデータについては、関係する行政に交渉。まだ官民データ活用推進基本法の施行前だったが、データの提供にこぎ着けた。