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人口減少期の新たな郊外の在り方を追求する東京都町田市と東急が手を携え、20haを超える広大な鉄道沿線エリアで次世代型のまちづくりを進めている。キーワードは「パークライフ」。自然とにぎわいが融合し、まち自体をグリーンインフラに変えることを目指している。(日経コンストラクション)

 「南町田グランベリーパーク」は、東京都町田市の南端を通る東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅南側(約22.2ha)に広がる再開発拠点だ(図1)。

図1■ 駅と公園、商業施設を一体整備
図1■ 駅と公園、商業施設を一体整備
(資料:町田市・東急)
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 次世代のための新たな郊外の在り方を追求する町田市と東急が、「対等な責任と役割分担に基づく本質的なパートナーシップ」の下、まちづくりを進めている。官民が対等な関係を構築し、大規模な範囲を再開発した例は珍しい。

 町田市と東急は、鉄道駅に直結して都市公園と商業施設が隣り合う立地を生かし、駅前空間を再構築。人口減少期でも持続的に発展する郊外住宅地を目指している。

 2016年に、町田市と東急が共同で「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」に着手。19年に、鉄道駅「南町田グランベリーパーク駅」や商業施設「グランベリーパーク」、都市公園「鶴間公園」を完成させた。

 プロジェクトでは、中心市街地に次ぐにぎわいの拠点「副次核」や郊外住宅地の「新しい暮らしの拠点」となるよう、エリアを再整備した。町田市と東急は事業に当たり、以下の3点を共有すべき方針に掲げた。
(1)都市公園と商業施設を中心として、にぎわいと交流を促進する。
(2)駅周辺の歩行者ネットワークを形成し、まちの利便性を向上させる。
(3)地域の住み替えサイクルの実現に向けて、バリエーションのある住環境を創出する。

 さらに、これらの方針を基に、まちの将来像を具体化。駅を出た瞬間から空とみどりをふんだんに感じられる「すべてが公園のようなまち」や、ここにいるだけでいつの間にか心も身体も健康になる「南町田ならではのパークライフの実現」を、まちづくりのコンセプトに据えた。

 都市公園などオープンスペースが、これからのまちの価値を決定づける──。こう考える町田市と東急は、駅から商業施設、公園に至るまで、オープンスペースを中心に市街地をリデザイン(再編集)。まちそのものの「グリーンインフラ」への転換を目指している(図2写真1)。

図2■ オープンスペースを中心に市街地を再編
図2■ オープンスペースを中心に市街地を再編
(資料:Fd landscape)
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写真1■ 商業施設と公園の融合ゾーン(写真:町田市・東急)
写真1■ 商業施設と公園の融合ゾーン(写真:町田市・東急)
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