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建設業界の技能継承は、新型コロナウイルスの影響でオンライン化を余儀なくされた。対面で教えることができなくなり一時的な効率の低下は免れないが、悪い面ばかりではない。動画やデジタル教材、テレワークを使いこなし、教育方法を改革するチャンスだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、技能者の育成にも変化を迫った。毎年延べ約5万5000人の訓練生を受け入れ、連日満員だった全国建設産業教育訓練協会の富士教育訓練センターでは、感染防止対策のため2020年4月から受け入れを一時中止。再開後は訓練生の数を大幅に減らし、座学の一部をオンラインに切り替えた(写真1)。

写真1■ 富士教育訓練センター。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、受講生はまばらだ(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 富士教育訓練センター。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、受講生はまばらだ(写真:日経コンストラクション)
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 富士教育訓練センターでは、複数の専門工事会社から1、2人ずつ新入社員を集めて開催する講座が多い。「同じクラスの中で受講生のレベルは千差万別で、図面から3次元の完成イメージをつかめない新入社員もいる。オンラインだと講師からの一方通行になりやすく、フォローが難しい」。同センター教務部教務課の米良力課長代理は、こう明かす。

 ただ、新型コロナをきっかけとしたオンライン教育の普及が、技能継承の効率化につながる可能性がある。富士教育訓練センターの小松原学校長は「今までのような実技研修が無くなるとは思わない」と前置きしたうえで、次のように続ける。

 「事前にオンラインで3次元映像などを見て構造物の完成イメージをつかんでおけば、実技研修の内容も頭に入りやすい。今後はデジタルと実技の組み合わせが重要になる」