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 国土交通省が2020年6月、新技術情報提供システム(NETIS)の準推奨技術に選んだ岡三リビック(東京都港区)のジオテキスタイル補強土壁工法「トリグリッド」。総合評価落札方式の技術提案や工事成績評定で加点対象となり得る工法だ。

 「建設資材を扱う商社として、商機の拡大を見据え、自社独自の工法を作りたい」。同社技術開発部次長の林豪人は、工法開発のきっかけをこう明かす(写真1)。

写真1■ 岡三リビック技術開発部次長の林。手に持つのはフラットパネル(右)とトリグリッド(左)のサンプル(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 岡三リビック技術開発部次長の林。手に持つのはフラットパネル(右)とトリグリッド(左)のサンプル(写真:日経コンストラクション)
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 トリグリッドは、高強度ポリエステル繊維を束ねた芯材にポリプロピレン樹脂を被覆した目合い4cmの格子状のグリッド材だ。伸びが小さく、強度や耐腐食性に優れる。韓国のメーカーが製造し、日本国内でも補強土壁の内部に敷設する補強材や軟弱地盤の沈下対策など様々な場面に使われている。

 岡三リビックは、トリグリッドと組み合わせるジオテキスタイル補強土壁の壁面材の開発に挑んだ。完成したのが「フラットパネル」と呼ぶ平面状の溶接金網だ(写真2~4図1)。08年に開発して以降、300件近い実績がある。

写真2■ フラットパネルの設置状況。1:0.3前後の勾配で施工するケースが多い(写真:岡三リビック)
写真2■ フラットパネルの設置状況。1:0.3前後の勾配で施工するケースが多い(写真:岡三リビック)
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写真3■ 盛り土中に敷設するトリグリッド。引っ張り強度が幅1m当たり約200kNの製品もそろえる(写真:岡三リビック)
写真3■ 盛り土中に敷設するトリグリッド。引っ張り強度が幅1m当たり約200kNの製品もそろえる(写真:岡三リビック)
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写真4■ 壁面が金網なので、施工後の緑化も可能だ(写真:岡三リビック)
写真4■ 壁面が金網なので、施工後の緑化も可能だ(写真:岡三リビック)
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図1■ 壁面にフラットパネルを組む
図1■ 壁面にフラットパネルを組む
フラットパネルを使った補強土壁工法の標準断面図(資料:岡三リビック)
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 フラットパネルは直径6.5mmの鋼材を縦と横に千鳥に編んだ金網で、溶融亜鉛めっきで防食した。パネル1枚の大きさは幅2m、施工高さ約60cmで、重さは9kgと軽い。

 現場でフラットパネル同士を上下左右にかみ合わせて連結し、壁面材として一体化する。各フラットパネルの中央部を補強材のトリグリッドとつなげば、急勾配の盛り土が可能となる。

 適用できる壁高さは18m程度まで。盛り土材には砂質土やれき質土だけでなく、含水比が高くなければシルトや粘性土も使える。