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土地所有者に無断で積み上げられた残土の山に対し、排出者責任を問う異例の裁判が始まった。舞台は、愛知県弥富市の平野部に突然現れた高さ10mほどの山だ。市の新庁舎建設を請け負った熊谷組などに、残土の撤去と損害賠償を求める。

 愛知県弥富市の伊勢湾近くに広がる農地。その広々とした土地の中に、ぽつんと古墳のように盛り上がった高さ10mほどの山がある(写真12)。土地所有者の制止にもかかわらず、勝手に投棄された建設残土の山だ。青々と草が茂っており、投棄からかなりの時間がたっていることがうかがえる。

写真1■ 愛知県弥富市の金魚養殖場跡地に投棄された残土。道路よりも30cm低い位置まで埋める計画だったにもかかわらず、残土の山が築かれた(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 愛知県弥富市の金魚養殖場跡地に投棄された残土。道路よりも30cm低い位置まで埋める計画だったにもかかわらず、残土の山が築かれた(写真:日経コンストラクション)
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写真2■ 平野部に突然現れた建設残土の山。約5100m<sup>2</sup>の土地に高さ10m近くまで積み上げられた(写真:日経コンストラクション)
写真2■ 平野部に突然現れた建設残土の山。約5100m2の土地に高さ10m近くまで積み上げられた(写真:日経コンストラクション)
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 この残土の山を巡り、排出者の責任を問う異例の裁判が始まった。この山の中には、熊谷組が施工した弥富市新庁舎の建設残土が含まれる。土地所有者が2020年9月29日、熊谷組と弥富市を相手に、残土の撤去と150万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。

 現場に残土を持ち込んだのは、個人で建設業を営む男だ。土地所有者は既に、その男に対して訴訟を起こしている。津地裁四日市支部は20年5月14日、建設業の男に対し、残土の撤去と土地所有者への110万円の支払いを命じる判決を言い渡した。現在、控訴審が進められている。

 残土は依然として放置されたままだ。土地所有者の代理人を務める村田正人弁護士によると、建設業の男は「いずれ撤去する」と主張しているという。村田弁護士らが第三者の建設会社に残土の撤去費用について見積もりを取ったところ、7760万円に上った。建設業の男に資金力はなく、負担できるとは考えられない。