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 北海道は3カ年の事業期間で、北見市内の道道北見常呂(ところ)線の脇に、高さ3~3.5m、延長510mにわたる落石防護柵の設置工事を進めている。最終年度に当たる2020年の9月29日の朝、事故は起こった。柵の支柱を立て込む穴を掘っていたダウンザホールハンマーが地中の埋設管を傷つけ、水が噴き出したのだ(写真1~3)。

写真1■ 2020年9月29日、落石防護柵の支柱を立てるための削孔で用いたダウンザホールハンマーが、供用中の水道管に穴を開けた(写真:北海道北見市)
写真1■ 2020年9月29日、落石防護柵の支柱を立てるための削孔で用いたダウンザホールハンマーが、供用中の水道管に穴を開けた(写真:北海道北見市)
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写真2■ 事故後の20年11月に撮影した現場。落石防護柵の支柱の位置を道道北見常呂線寄り(写真右の方向)に1.1mずらして供用中の水道管を避けた(写真:日経コンストラクション)
写真2■ 事故後の20年11月に撮影した現場。落石防護柵の支柱の位置を道道北見常呂線寄り(写真右の方向)に1.1mずらして供用中の水道管を避けた(写真:日経コンストラクション)
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写真3■ 事故発生直後の現場。周囲に水たまりができている(写真:北海道北見市)
写真3■ 事故発生直後の現場。周囲に水たまりができている(写真:北海道北見市)
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 施工していたのは水元建設(北海道北見市)。現場代理人を務める同社の山本康彦工事長は、発注者である道のオホーツク総合振興局網走建設管理部北見出張所と、水道管を管理する北見市上下水道局へ直ちに連絡した。

 「何の管なのか」。道の北見出張所の前川晃一主査は、連絡を受けて首をひねった。当初は「水道管であるはずがない」と考えていたからだ。

 現場付近に埋設された水道管の位置は、市上下水道局の水道台帳と着工前の試掘で確認済みだった。そのうえで柵の支柱の位置を、管から水平方向に50cmほど道路寄りに離していたので、支柱を立て込む穴を掘るハンマーが管に当たるはずはなかった。

 しかし、ハンマーが命中したのは紛れもなく供用中の水道管。よけた管は現在では使っていない旧管だったのだ。前川主査は「現場にまさか2本の水道管があったとは」と驚きを隠さない。