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 ドローン(小型無人機)の活用範囲をさらに拡大するため、政府は2021年の通常国会に航空法改正案を提出する方針だ。操縦者の目が届かない範囲でも市街地上空を飛行できるようにする。道路や鉄道などを広範囲に効率良く点検できそうだ。

 ドローンの飛行形態は、操縦者などが目視できる範囲で飛ばすレベル1や2、あらかじめ設定した経路などをドローンが目視外で自律的に飛ぶレベル3や4がある。市街地の上空を目視外で飛ばすレベル4は現在、認められていない(図1)。

図1■ これまで「レベル4」の飛行はできなかった
図1■ これまで「レベル4」の飛行はできなかった
航空法改正後に制度の運用体制を整え、レベル4の飛行は2022年度中の実現を目指す(資料:国土交通省)
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 国土交通省などは航空法の改正によって、国が機体の安全性を認証する制度を創設。同時に、学科・実地試験で操縦者の技能を証明するライセンス制度も立ち上げる考えだ。国の指定を受けた民間機関が試験を実施できるようにする。

 認証を受けた機体を上級の「一等資格」を持つ人が操縦し、飛行計画などを国交相が認めた場合、レベル4の飛行を可能にする。認証を受けた機体を資格保有者が市街地以外で飛ばす場合は、これまで個別に必要だった許可や承認を不要にする。

 活用場所に応じて、新しいタイプのドローンの実用化も加速する。西松建設などは、ヘリウムガスを注入した飛行船型の機体を開発。水路トンネルの中を自律飛行し、壁面全周を撮影できるカメラで変状を確認する(写真1)。回転翼で浮上する一般的なドローンと比べ、重い機材を積んで長時間、飛行できる。

写真1■ 水路トンネル内を進む飛行船型の機体。全長3.7m、直径1.2mのバルーンの前端に360度カメラなどを取り付けた(写真:西松建設)
写真1■ 水路トンネル内を進む飛行船型の機体。全長3.7m、直径1.2mのバルーンの前端に360度カメラなどを取り付けた(写真:西松建設)
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