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  • キントーンとの連携でクラウド型万能管理ツールに発展
  • 公募案件を突破口に多くの自治体業務を受託

 広大なエリアや膨大な箇所数を対象としたインフラの調査・点検には労力を要する。特に面倒なのが、得られた結果の整理や集計。人手不足の深刻化で、担当者の負担は増すばかりだ。地図活用のコンサルティングを得意とする、あっとクリエーション(大阪市)は、こうした課題に着目。iPadなど携帯端末を活用するアプリ「カンタンマップ」で業務の効率化を支援している。

 カンタンマップは現場作業の結果や成果などを、位置情報を含む地図と連動して管理する。GIS(地理情報システム)の代わりにグーグルマップなどの安価な地図情報をベースにできることが最大の特徴だ。

 例えば、カンタンマップをインストールしたiPadにグーグルマップを表示し、点検した位置にピンのアイコンを付ける。そのピンにひも付けて、作業の結果や撮影した写真など関連情報をその場で記録できる。

 考案者は、2007年に同社を創業した黒木紀男代表取締役だ(資料1)。黒木代表は前職で建設コンサルタント会社に勤めていた頃から、現地調査やGIS関連業務などの作業の非効率性、GISの扱いの難しさに歯がゆさを感じていた。そんななか、10年に登場したばかりのiPadに課題解決の可能性を見いだして開発したのが「カンタンマップfor iPad」だ。

資料1■ あっとクリエーションの黒木紀男代表取締役。建設コンサルタント会社を経て、2007年に起業した(写真:奥野 慶四郎)
資料1■ あっとクリエーションの黒木紀男代表取締役。建設コンサルタント会社を経て、2007年に起業した(写真:奥野 慶四郎)

 「当初はアプリ自体をビジネスにするつもりはなく、自分が担う業務を楽にするGISに代わる便利なシステムを作ろうと考えた」。黒木代表は開発当時の思いをこう語る。しかし、同社の主な顧客である建設コンサルタント会社を介して、点検や調査にカンタンマップを採用する自治体が次第に増えた。やがて同社のサービスメニューへと定着していく。

 17年にはさらなる転機が訪れた。サイボウズとの協業だ。業務アプリ構築クラウドサービス「kintone(キントーン)」へのプラグインによって、キントーンで管理している情報をカンタンマップの地図上に表示できるようになった。また、それまでオフライン下での使用アプリだったカンタンマップが、クラウド上で使えるようになった(資料2)。

資料2■ 業務の管理情報を地図で可視化
資料2■ 業務の管理情報を地図で可視化
クラウド上でkintoneとカンタンマップを連携させることで、kintoneで管理している様々な業務の情報を地図上に可視化し、業務を効率化・省力化できる(出所:あっとクリエーション)
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 「安価で使いやすい地図情報をベースに、道路パトロールや街路灯・電柱・空き家の維持管理、ゴミ回収、災害対応など、どんな業務にでも対応できるのが強み」。黒木代表はカンタンマップ×キントーンの利便性や対応力に自信を見せる。