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維持管理で行政や民間に次ぐ第3の担い手として期待される住民。福島県平田村では日本大学の指導の下、村民が主体的に橋の点検を実施している。橋面上の汚れを見える化して、清掃活動などの予防保全につなげている。

 福島県平田村ではここ数年、住民が参加する草刈りなどのイベントに併せた橋の点検・清掃が風物詩となっている(写真1)。村が管理する68橋中ほぼ全てで、住民が毎年実施している。

写真1■ 住民が橋の清掃に参加している様子(写真:平田村)
写真1■ 住民が橋の清掃に参加している様子(写真:平田村)
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 この光景は、地域の橋の利用者である住民や管理者が日常的に点検し、簡易な清掃などを実施することで健全な状態を維持する「橋のセルフメンテナンス」の一幕だ。日本大学工学部の岩城一郎教授の研究室における学生などが主体的に関わり、2015年度に始まった。

 橋の専門家ではない市民でも点検できるようにするために欠かせないのが、「チェックシート」の存在だ(図1)。行政などが作成する硬い文章ばかりのチェックシートとは、一線を画している。

図1■ 市民でも点検可能な「簡易橋梁点検チェックシート」
図1■ 市民でも点検可能な「簡易橋梁点検チェックシート」
(資料:日本大学工学部)
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 「住民の多くは点検を体験したことがないだろうし、点検を面倒だと感じる人もいると思った。そのため、手描き風の字体を用いたり挿絵を増やしたりして、見た目の抵抗が少ないチェックシートを考えた」

 こう振り返るのは、アイ・エス・エスコンサルティング事業部仙台営業所の浅野和香奈氏だ。岩城教授の研究室で学生時代から橋のセルフメンテナンスに携わり、今も同大学工学部で客員研究員を務める。

 チェックシートの裏側を使って、橋の損傷ごとの事例写真を掲載したのも浅野氏の提案だ。「点検マニュアルがあった方がいいと思ったが、点検時にチェックシート以外の持ち物が増えると面倒になる。そのためチェックシートの裏を活用した」(浅野氏)