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新型コロナウイルス感染症の影響で、継続教育(CPD)はオンライン上でのセミナーが一般的になってきた。受講費用の設定や受講確認の方法に課題は残るものの、隙間時間の活用につながるなどメリットは多い。コロナ以降もこの傾向は続きそうだ。

 資格の登録や維持に必要なCPD。例えば技術士は3年で150単位、シビルコンサルティングマネージャ(RCCM)は4年で100単位以上の取得が求められる。総合評価落札方式で配置技術者の加点にも関わるため、資格を保有していない技術者にとっても無視できない。

 このCPDの在り方が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて変わり始めた。会場に集まって実施する講習会の中止や延期が相次ぎ、オンラインセミナーが増加。それを単位として認める動きが加速しているのだ(写真1図1)。ただし、急激な変化によって、一部では混乱や戸惑いも生じている。

写真1■ 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、2020年はCPD講座の中止や延期が相次いだ。写真は日本技術士会千葉県支部の例(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、2020年はCPD講座の中止や延期が相次いだ。写真は日本技術士会千葉県支部の例(写真:日経コンストラクション)
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図1■ オンラインで開催するセミナーや講習会への対応が急速に進んだ
図1■ オンラインで開催するセミナーや講習会への対応が急速に進んだ
CPDの認定団体は、新型コロナウイルスの感染拡大でオンラインセミナーの単位認定について対応を迫られた(資料:日本技術士会、建設コンサルタンツ協会、全国土木施工管理技士会連合会)
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 例えば、日本技術士会は2020年4月の緊急事態宣言の発令に前後して、予定していた集合型のセミナーを中止。オンライン会議システムによる開催に切り替えてきた。しかし、システムの操作に不慣れな技術者が一定数いることなどから、オンライン対応する件数などは従来の半分に達していない。

 受講料金の問題もある。同会が主催するオンラインセミナーは現在、無料としている。講座の品質が通信回線などに左右されるなか、受講料金やテキスト代金をどう設定するかという課題を議論しているためだ。