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2021年度の受験申込書の受付が4月5日に始まる。申込時に提出する「実務経験証明書」は、口頭試験の合否を左右する重要な資料となる。技術士にふさわしい資質を示すため、まずは経歴の棚卸しに取り組もう。(日経コンストラクション)

 今回は、口頭試験で重要な役割を持つ受験申込書の書き方を解説する。2020年度の口頭試験では、受験申込書に含まれる「実務経験証明書」に基づき、業務内容の詳細について確認する質問が多かった。ホワイトボードを使って説明するよう求められた受験者もいた。こうした傾向を踏まえた対応が必要だ。

実務経験証明書の目的

 21年度の技術士第二次試験の受験申込書は、4月1日から19日までの間、日本技術士会のウェブサイトで入手できる。受験申込書には受験資格の有無などを確かめる目的があり、大半は事務的に確認されるだけだ。ただし、実務経験証明書に記載する業務経歴やその詳細は、口頭試験の試問資料として使われる。第二次試験の最後まで合否に関わる重要な役割を果たすのだ。慎重に作成しなければならない。

 実務経験証明書を書く前に、口頭試験の内容を確認しよう(図1)。特に、「コミュニケーション、リーダーシップ」と「評価、マネジメント」から成る「技術士の実務能力」に関して、経歴を基に試問される。

図1■ 口頭試験の評価項目
図1■ 口頭試験の評価項目
(資料:日本技術士会)
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 具体的には、業務において「発注者や他の関係者とどのようにコミュニケーションしたか」「そこでどんな工夫をしたか」「どのようにリーダーシップを発揮したか」「成果をどう評価したか」といった質問だ。

 建設部門の受験者の多くは公共事業に携わっているので、コミュニケーション能力は高いはずだ。発注者や住民、外注先などと調整する機会は多い。その内容を示せばよい。リーダーシップでは、受験者自身が責任者として取り組んだと示す必要がある。そして、関係者が業務の成果を評価しているかが確認される。マネジメントとはPDCAサイクルを回すことなので、業務の成果を水平展開した経験などが求められる。

 実務経験証明書には、こうした能力を発揮した業務を記述しなければならない。受験者が経験した業務の内容を5行の欄にまとめ、その中の1つについて720文字で詳述する。

業務の一覧表をまとめる

 受験者の多くは、豊富な実務経験を持っているはずなので、どの業務を書くべきか迷うだろう。ここでは、業務の一覧表をまとめることをお勧めする(図2)。今までの経験を整理し、技術士にふさわしい業務を洗い出すのだ。7、8件ほど候補を挙げれば、そこから5件を選ぶのは容易だ。

図2■ 建設会社の技術者を想定した業務一覧表の作成例
図2■ 建設会社の技術者を想定した業務一覧表の作成例
課題や解決策を書ける業務を7、8件ほど挙げて、その中から実務経験証明書に記載する5件の業務を選ぶとよい
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 技術士にふさわしいのは、高い専門的応用能力を発揮した業務だ。技術士法2条は「高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価、またはこれらに関する指導を行う者」が技術士だと定義している。

 難しく捉えがちだが、高等の専門的応用能力とは、主に(1)問題点を見つけ出す(2)課題を明確に示す(3)解決策を実行する(4)解決策を踏まえて改善策を立案する─の4つの能力だと考えればよい。

 よって、一覧表を作る際はそれぞれの業務の内容や課題、解決策を明確にしておきたい。成果や苦労した点に加え、失敗例もまとめておく。業務で工夫した点も押さえよう。