工事着手前に発注者に提出する施工計画書は、施工者にとっても重要なものだ。発注者の求める品質を確保したうえで、最も原価を低くできる最適工期を選ぶ。現場の生産性向上を図るべく、新技術や新工法の採用も検討する。(日経コンストラクション)
施工計画は、現場で施工管理を行うためのガイドラインに相当する。安全管理や品質管理といった施工管理の要点を一通りマスターしていないと、良い計画の立案は難しい。
なぜ施工計画書を作成する必要があるのか。施工計画書は、土木工事共通仕様書に工事着手前に監督職員へ提出するよう記載されている。しかし監督への提出のためだけでなく、工事を受注した施工者にとっても重要なものだ。
施工者にはまず、良い品質の構造物を造ることが求められる。加えて、自社の利益を確保することも大切なミッションだ。品質を高めるためには原価をいくら上げてもよい、というわけではない。
コストとは別の視点もある。時間をかけて丁寧に仕事をすれば、品質を高められるが、工期は長くなる。いくら品質が良くても、契約工期内に工事が終わらなければ、発注者の要望に応えたことにはならない。
つまり、「品質」「工程」「原価」の3要素をバランス良く満たすように工事を計画することが重要だ。