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盛り土の材料には、コストや環境配慮の面から建設発生土を使うことが望ましい。近年、大量に出る建設発生土の処理が社会問題化し、不適切な投棄などにもつながっている。コーン指数の低い軟らかい発生土でも、土質改良を施して可能な限り活用したい。

(イラスト:橋本 かをり)
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 盛り土は土工事の基本だ。道路や河川といった工種を問わず、土木の建設現場では必ずと言っていいほど行われる。大半の土木技術者が経験するはずなので、基本的なポイントを押さえておきたい。

 盛り土の材料となる土は、安価でどこにでもあるので入手しやすい。化学的な性質も安定している。しかし、自然の材料なので、コンクリートや鉄といった人工的な材料と異なり、採取した場所などで材料としての品質にばらつきが生じる。

 盛り土に使う土としては、施工が容易であることはもちろん、盛り土の安定性を保ち、大規模な変形が生じないような性質が求められる。具体的には、せん断強度が高いこと、圧縮性が小さいこと、膨張性が低いこと、雨水などの浸食に強いことなどが挙げられる。

 現場での調達に際しては、別の場所で採取した良質な土を搬入する他、その現場で発生した建設発生土を用いる。コスト面だけでなく環境配慮の面からも、建設発生土を可能な限り活用することが望ましい。