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支持地盤が浅いときに採用する直接基礎はコスト面で有効だが、施工上の注意点が多い。築造する構造物を直接支えるので、支持地盤面を処理する作業では繊細な配慮が必要だ。フーチング底面を支持地盤に密着させて、せん断抵抗が確実に生じるようにする。(日経コンストラクション)

(イラスト:橋本 かをり)
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 基礎は下部構造の一部で、躯体に生じる荷重を地盤に伝える重要な役目を担う。直接基礎や杭基礎、ケーソン基礎といった複数の形式があり、浅い箇所に良好な支持地盤があるときには、一般に直接基礎を採用することが多い(資料1)。

資料1■ 支持地盤が浅ければ直接基礎
資料1■ 支持地盤が浅ければ直接基礎
基礎の主な種類。支持地盤が浅ければ、直接基礎を採用する(資料:さくら都市企画設計)
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 直接基礎は、コスト面で有効な形式だが、支持地盤面の影響を受けやすく施工上の注意点が多い。設問では道路橋下部工を題材に、そうした知識を尋ねている。

 橋梁下部工は、土留めを使わず開削で施工する場合、床掘りして基面整正したうえで、橋脚躯体を構築し、埋め戻すという手順で作業する。設問で問われているのは、そのうち床掘りと基面整正、基礎材の工程で、基礎地盤面を処理する際の留意事項だ(資料2)。

資料2■ 基面整正してから躯体構築
資料2■ 基面整正してから躯体構築
橋脚において土留めを使わず開削で施工する場合の手順。オレンジ色の文字は冒頭の設問で問われている作業工程(資料:さくら都市企画設計)
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