打設したばかりのコンクリートは流動性を帯びているので、型枠には側圧がかかる。現場監督は専門工事会社が手掛けた型枠の割り付けが側圧に耐えられるかを確認する。側圧はコンクリートの単位重量や温度などで変わる。その関係を押さえておきたい。(日経コンストラクション)
型枠は打設したコンクリートが所定の強度を発現するまでの間、構築するコンクリート構造物の形状や寸法を保持する仮設だ。養生段階でも乾燥防止や保湿などの役割を担う。
コンクリートは、型枠に流し込んだ段階ではまだ硬化していない。流動性を帯びた性状なので、型枠には内側から圧力がかかる。冒頭の設問はこの「側圧」が題材だ。
型枠には木製型枠と鋼製型枠がある。木製型枠の場合、コンクリートに接する「せき板」、2枚のせき板同士の間隔を保つ「セパレーター」、せき板を支える「Pコン」、型枠がゆがまないように押さえる「横バタ」「縦バタ」などの部材で構成する(資料1)。
各部材の材質や配置間隔などは、現場ごとの打設計画に基づいて決定する。型枠の耐力を決めるこの作業を割り付けと呼び、型枠工事の専門工事会社が手掛けるケースが多い。
そのうえで、現場監督は型枠が側圧に耐えられるか、つまり「各部材の耐力>側圧により各部材にかかる力」の関係となるかを確認する。型枠の安全性を判断するためには、打設時に生じる側圧を把握しておくことが必要だ。
土木学会の「コンクリート標準示方書(施工編)」では、側圧に影響を与える要因を「構造条件」「コンクリート条件」「施工条件」の3つに整理。設問ではそのうち、コンクリート条件の使用材料・スランプ・コンクリート温度、施工条件の打ち上がり速度について尋ねている(資料2)。