溶接は工場での「組み立て溶接」、現場での「継ぎ手工」の各工程で実施する重要な作業だ。組み立て溶接も本溶接の一部となるので、本溶接と同様の高い精度が求められる。工場でも現場でも、溶接欠陥が生じないよう示方書のポイントを押さえて施工する。(日経コンストラクション)
土木構造物の材料は、自然材料と人工材料に大別できる。原料をそのまま利用する自然材料は土や石。一方、人工材料の代表例としては鋼材やコンクリートが挙げられる。
共に土木構造物の主要材料である鋼材とコンクリートだが、それぞれに利点と欠点がある(資料1)。冒頭の設問で取り上げた鋼橋での溶接施工は、コンクリートと比較した鋼材の利点である「部材同士を結合できる」特性を利用した作業だ。
一般に鋼橋上部工の施工では、工場製作を経て現場施工のステップへと進む(資料2)。工場では鋼材の加工後、「組み立て溶接」の工程があり、現場での「継ぎ手工」には溶接接合と高力ボルト接合の2種類がある。つまり溶接は工場と現場の両方で実施する重要な作業工程だ。
組み立て溶接は、鋼材を桁などの構造材に組み立てる作業で、かつて「仮付け溶接」と呼んでいた。しかし本溶接の一部となるため、本溶接と同様の管理の下、欠陥が生じないよう高い精度が必要。選択肢(1)の記述が適当でなく、これが正解となる。