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 公共工事は受発注者間の請負契約に基づき、施工者が目的物を完成させるための一切の責任を負う「自主施工の原則」が基本になっている。一方、発注者は施工者が契約を適正に履行しているかどうか、竣工時の検査に加え、施工途中の段階確認や監督を実施する必要がある。ところが、発注者が検査などで見抜けず、竣工後や竣工間際にずさんな施工が発覚する事例は依然として多い。

 近年、目立つのが道路の埋め戻し材の不正だ。例えば、東京ガスは2020年11月、ガス導管の敷設工事で、埋め戻しに不適切な路盤材が使われていたと発表した。不正を犯したのは日鉄パイプライン&エンジニアリング(NSPE、東京都品川区)。1都4県で施工した350件、総延長43kmの工事に問題があった。

 上層路盤の埋め戻し材に指定されていたのは「再生粒度調整砕石」。しかし、NSPEはアスファルトやコンクリートのガラを破砕しただけの「再生クラッシャーラン」を使っていた(写真1図1)。再生クラッシャーランは細粒分が少ないので、締め固めて強度を確保しなければならない上層路盤には向かない。

写真1■ 再生粒度調整砕石(写真左)を使うべき所に、再生クラッシャーラン(右)を使っていた(写真:日鉄パイプライン&エンジニアリング)
写真1■ 再生粒度調整砕石(写真左)を使うべき所に、再生クラッシャーラン(右)を使っていた(写真:日鉄パイプライン&エンジニアリング)
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図1■ 上層路盤に再生クラッシャーランを残置
図1■ 上層路盤に再生クラッシャーランを残置
不正があった路盤材の構成例(資料:日鉄パイプライン&エンジニアリング)
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 両者の違いは見た目で分かりにくい。NSPEは工事記録を撮影する際に黒板の記載などを偽装。再生粒度調整砕石を使ったと見せかけて、東京ガスに書類を提出した。材料の購入伝票は提出していなかった。

 東京ガスは、写真だけで路盤材の材料を確認していたので不正に気づけなかったと釈明する。