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新しい技術の導入が進みづらい生コン業界。ただし二酸化炭素を吸着するコンクリートの普及に生コン工場の協力は欠かせない。そんな中、生コン業界のしがらみが少ない透水性コンクリート舗装の拡大で、脱炭素を進めようという動きが出始めた。

 二酸化炭素(CO2)を吸着する「脱炭素コンクリート」を社会に実装するためには、サプライヤーの1つである生コン工場の協力が欠かせない。開発を進める各社は、生コン工場の設備投資や製造工程の負荷などを最小限に抑える作り方を模索している。ただし実際に負荷を抑えられたとしても、普及するか否かは別の話だ。

 全国の生コン工場の多くは、中小企業等協同組合法に基づいて運営されている生コンクリート協同組合に所属している。中小企業が組合として団結することで、共同販売を推進でき、価格カルテルを禁止した独占禁止法の適用除外措置を受けられる。

 そのため、価格面での競争が働きづらく、新しい技術などの導入が進みにくい業界になっている。

 ある生コン会社の社長は次のように話す。「抜きん出た技術を要する生コンは基本的に、建設会社などに使われない。同品質の生コンを、足並みをそろえて生産することが求められる」

 生コン産業が脱炭素コンクリートの動きに無理解というわけではない。ただ、横並びの体質から考えると、インフラなどに使われる通常の生コンを、脱炭素型へ一気に置き換えるのは難しい。地道な草の根活動による普及か、従来のしがらみのない新たな市場の開拓が求められる。

 一般社団法人「生コン・残コンソリューション技術研究会(RRCS)」はそんな背景を踏まえて、透水性コンクリートを使ったCCU(CO2の回収・貯留)舗装の普及を進めている(写真1)。RRCSは残コンなどを減らす環境に配慮した取り組みを進めるために2020年に発足。現在ではCO2を吸着する技術などにも関心を持って活動している。

写真1■ 透水性コンクリート舗装とは、セメントと水と粗骨材だけで製造する多孔質の特徴を持つ(写真:長岡生コンクリート)
写真1■ 透水性コンクリート舗装とは、セメントと水と粗骨材だけで製造する多孔質の特徴を持つ(写真:長岡生コンクリート)
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