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おのでら・ともき
おのでら・ともき
1976年生まれ。2000年4月に戸田建設に入社、東京支店に配属。06年7月に本社土木設計部、14年12月に本社海外事業部。15年2月~21年2月にほぼミャンマーに駐在し、上水道整備工事を2件手掛ける。21年から現職(写真:日経コンストラクション)

 海外では、言葉や習慣が異なる技術者や作業員を育成しつつ、工事を進めなければならない。ミャンマーの上水道整備工事で、日本流の施工方法や現場運営を伝授したのが、戸田建設国際支店土木部工事室主管1級(課長クラス)の小野寺友樹氏だ。

 小野寺氏は2015年から21年にかけて、ほぼ同国のヤンゴン市に駐在し、日本の政府開発援助(ODA)による配水管工事を2件手掛けた。現地の技術者や作業員への教育・指導をはじめ、現場実務の一切を担った。

 それまで海外工事の経験がなかった小野寺氏にとって、当初は試行錯誤の連続だった。そもそも、ミャンマーでは、現場での朝礼やラジオ体操の習慣がない。作業員はヘルメットをかぶらず、入所や退所の際にあいさつすらしない。「朝来たらグッドモーニング」「現場ではヘルメット着用」。そんな基本から教えなければならなかった。

 「海外でも日本でも人を育てるときに、あうんの呼吸は通用しない。作業の『なぜ』をきちんと説明する必要がある」(小野寺氏)

 例えばミャンマーでは、生コンクリートに水を加えてはならないと知らない技術者や作業員が多かった。「水を加えると強度が下がる」と、丁寧に教えなければならなかった。

 小野寺氏は分かりやすく説明するために、手描きの絵や手作りの模型を多用した。土砂バケットの吊り上げ時に下に入らないよう注意するときには、スケッチブックに描いた絵を作業員に見せた(写真1)。

写真1■ 朝礼の様子。小野寺氏が自らスケッチブックに描いた絵を使って説明した(写真:戸田建設)
写真1■ 朝礼の様子。小野寺氏が自らスケッチブックに描いた絵を使って説明した(写真:戸田建設)
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