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こじお・まさる
こじお・まさる
1961年生まれ。84年3月に福岡大学工学部土木工学科を卒業し、建設会社への勤務を経て87年4月に旧建設省九州地方建設局に入省。国土交通省九州地方整備局企画部防災課課長補佐、八代河川国道事務所副所長、北九州国道事務所副所長を経て2020年4月に企画部総括技術情報管理官に就任した(写真:日経コンストラクション)

 国土交通省九州地方整備局は2021年6月に、40歳前後の係長クラスの職員を対象とする「中堅係長研修」を実施。講師に、総括技術情報管理官の小椎尾優氏を起用した。同氏は1961年8月生まれの59歳だ。

 九州地整人事課で職員研修を担当する長正伸係長によると、還暦間近のベテラン職員が中堅職員向けの研修で講師を務めること自体は珍しくない。ただ、その世代の講師による研修は、過去の実績を語って聞かせる講話が多いという。受講者は聴くだけの受け身になりがちだ。

 そうした中で小椎尾氏は新しいタイプの研修を始めた。土木技術者が対処を求められる課題を設定し、当事者になったつもりで受講者にそれぞれ対処法を考えさせ、討議させる「ケースメソッド」という手法を九州地整の職員研修で初めて導入したのだ。予算管理をテーマに、道路整備工事に伴う建設残土処理を課題として設定した(図1)。

図1■ 実際の事業に基づく題材で研修を実施
図1■ 実際の事業に基づく題材で研修を実施
研修で提示した設問。建設残土処分の発注先を選択させた。国土交通省の資料に日経コンストラクションが加筆
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 ケースメソッドは土木学会が2014年度から提唱している土木技術者の教育手法だ。災害など非常事態での適切な対応を学ばせることを、本来の目的としている。

 小椎尾氏はこの手法を予算管理という地整職員の平時の職務にも応用できると考え、九州地整の研修に導入。道路整備工事での残土処理を、「当初費用は安くできるが近隣住民からの苦情のリスクを伴う会社」に発注するか、「高くつくがそのリスクを回避できる会社」に発注するかという設問を用意した。