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なかにし・けいすけ
なかにし・けいすけ
1972年生まれ。95年3月に東北大学工学部土木工学科を卒業し、同年4月に三井建設(現・三井住友建設)に入社。トンネルやPC(プレストレストコンクリート)橋の上部構造などの工事現場を担当した。2018年7月から現部署で主に若手社員の教育、研修を担当(写真:日経コンストラクション)

 三井住友建設土木管理グループ課長の仲西恵祐氏は、山岳トンネルやPC(プレストレストコンクリート)橋上部工など工事現場への勤務を経て、2018年度から新入社員研修を担当している。

 上司の中嶋光祥・土木工事管理部長は、この人選の理由の1つとして同氏の粘り強い人柄を挙げる。施工条件が悪いうえに近隣住民の苦情が多かったある難工事を、現場所長として完成させた実績から、未熟な新入社員の教育に必要な根気強さがあると評価したと言う。

 「新入社員の認識に誤りがあっても私からは訂正せず、自ら考えて誤りを理解するよう促している。そんなときは根気強さを発揮しているのかもしれない」と仲西氏自身も話す。

 仲西氏は21年度、コロナ禍で研修内容の一部変更を迫られた際にも、粘り強さを発揮して対応した。

 同社は17年度から、土木部門の新入社員研修にPC橋の2主版桁の一部を約1カ月かけて製作する課題を組み込んできた。自社のプレキャストコンクリートの工場を研修会場として、参加者は付近の宿泊施設に合宿する。実技合宿と呼ぶこの課題と現場実習とを組み合わせることで、実践的な技術とものづくりの心構えを習得させるのだ。

 21年度は、この研修を受ける新入社員の数が56人で過去最多となった。その結果、現場実習で支障が生じた。実習現場となる工事を発注した自治体から、コロナ禍のため人数の制限を求められたのだ。

 仲西氏は熟考の末、土木部門の新入社員を2班に分けて1班ずつ現場研修に送り出し、待機する1班には橋桁製作の他に新たな実技を課すことを会社に提案。延長1.6mのボックスカルバートを作るという課題だ。

 研修の費用は数千万円の増額になる。それでも、基礎的な土木構造物の製作は新入社員の課題にふさわしい。より実践的な研修にできると会社に認められ、実現した。