土木構造物の補修・補強工事は新設とは異なった制約を受ける。作業空間や工期を十分に確保できない、既設構造物の状態が明確でないといった現場も少なくない。リニューアルならではの制約を、工法選定など施工計画の工夫で突破した現場を紹介する。

特集
制約を突破するリニューアル技術
維持・補修2021
目次
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上下線を一体化して4車線確保
橋の床版取り換えでは、交通規制が必要になるのが一般的だ。しかし、交通量が多く代替路が少ない中央自動車道では、車線数の確保が欠かせない。そこで考え出されたのが、上下線を一体化して中央分離帯に車線を造り出す高速道路会社初の手法だ。
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ICT施工をはつり作業に転用
3次元データがあるのなら、コンクリートのはつり作業にもICT施工が使えるのではないか──。社内で上がったこんな発想が、難しい施工条件を克服するための突破口となった。土工で実績のあるマシンコントロール建機を使い、迅速で高精度なはつり施工を実現した。
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プレハブ鉄筋で増し厚を最小限に
床版の増し厚補強では、コンクリートの厚さを最小限に抑えるのが経済的だ。栃木県の乳ノ木橋では、縦方向と横方向の鉄筋を一体化したプレハブ鉄筋を使って、増し厚の断面を従来工法と比べて約3割薄くした。再劣化を防いで長寿命化を図るため、接着剤や補修材を組み合わせた。
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鋼矢板や桟橋使わず固い地盤に対応
河川内の橋脚の耐震補強では、一般的に鋼矢板を使った仮締め切りや仮桟橋を構築する。そうした仮設は打ち込みなどの作業を伴うので、施工の難度が河床条件に左右される。橋脚の途中で円筒形の仮締め切り設備を固定することで、打ち込み作業を不要にし、硬質地盤に対応した。
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足場や建設機械でも工期短縮
厳しい制約を受ける補修・補強工事では、施工計画を組むうえで仮設や建設機械の重要性が高い。構造物の施工を確実に補助できる性能はもちろんのこと、設置や撤去の手間を減らして、工期を圧迫しないような技術開発が進む。
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