全2686文字
PR

新型コロナウイルスの影響による業績悪化が懸念された建設会社の2020年度決算。多くの会社が建築の売り上げを減らしたが、土木は思ったほど影響を受けなかった。国土強靱化への投資が続くなか、しばらくは好調な状態を維持できそうだ。

 土木と建築で明暗がはっきり分かれた決算だった。

 全国の主要建設会社を対象に、2020年4月~21年3月に期末を迎えた決算について日経コンストラクションが調査したところ、土木は57%の会社が増収だった 「建設会社ランキング」に調査概要 。一方で、建築が増収だった会社は35%にとどまる。土木、建築ともに6割程度の会社が増収だった前年の調査から様変わりした。

 その大きな要因は新型コロナウイルスの感染拡大だ。建築では、民間の設備投資縮小などの影響をもろに受けた。土木に関しては、国土強靱化への投資が続いており、堅調さを維持している。

 コロナ騒ぎが始まって間もない1年ほど前、多くの会社が業績への影響を警戒していた。日経コンストラクションが20年7月に実施した前回調査では、新型コロナによる今後の影響が大きい項目として「民間企業などの設備投資縮小」「工事の一時中止や工期延長」「公共事業の執行の遅れ」を選んだ会社が、それぞれ6割近くいた(図1)。

図1■ 長引く新型コロナで対策費用が負担に
図1■ 長引く新型コロナで対策費用が負担に
グラフは日経コンストラクション調査を基に作成(「建設会社ランキング」に調査概要)。新型コロナウイルスの感染拡大について、前回調査では「今後の影響が大きい項目」、今回調査では「影響が大きかった項目」を選択肢から複数回答で選んでもらった。グラフは、各項目を挙げた会社の割合。有効回答は前回調査が166社、今回調査が182社
[画像のクリックで拡大表示]

 しかし、影響は懸念したほどではなかったようだ。1年後の21年7月の調査では、業績への影響が大きかった項目として「工事の一時中止や工期延長」を挙げた会社は31%、「公共事業の執行の遅れ」は26%と、いずれも前年の調査結果の半分程度に下がった。

 一方で、回答企業の割合がほとんど変わらなかったのが、「新型コロナ対策に伴う経費の増加」だ。長引くコロナ禍で、その対策費用が依然として負担になっている状況が浮かび上がる。