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「物言う株主」が中堅ゼネコンなどに、株価向上のための経営改革を迫る動きが出てきた。建設産業が狙われた背景には、建設会社特有の経営がある。こうした株主の主導で、業界再編が進む可能性もある。

 このところ業績が好調だった建設産業に対し、アクティビスト(物言う株主)が経営改革を迫る動きが出てきた。こうした株主は、業績の割に建設会社は株価が低過ぎると感じるようだ。

 最近、注目を集めたのが、西松建設と、同社株式の約24%を保有する筆頭株主のシティインデックスイレブンス(以下、シティ)との対立だ(写真1)。

写真1■ アクティビストとの対立が注目を集めた西松建設の本社(写真:日経コンストラクション)
写真1■ アクティビストとの対立が注目を集めた西松建設の本社(写真:日経コンストラクション)
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 シティは2020年以降、段階的に西松建設の株を買い増しつつ、株主還元策の強化を求めてきた。西松建設はシティの意見などを踏まえ、21年度から3カ年の「中期経営計画2023」で、自己株式を200億円以上取得するなどの新たな株主還元策を発表。同社の株価上昇につながった。

 シティは西松建設に対し、さらなる株価向上策を求めている(図1)。西松建設が保有する虎ノ門ヒルズなどの不動産は500億円以上の売却額になると指摘。また、シティが西松建設の株式を買い始めた20年3月ごろ、西松建設の政策保有株式は上場株式64銘柄と多かった。こうした資本効率の悪さが、西松建設がアクティビストに狙われた一因と考えられる。

図1■ 西松建設はアクティビストとのやり取りを公開
図1■ 西松建設はアクティビストとのやり取りを公開
西松建設の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 西松建設はこうしたシティからの要求を開示。不動産事業などに対する両社の意見の相違を明らかにしつつ、「持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた建設的な対話を続ける」と説明している。