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既に実績のある自動運転車やロボットの自律走行の技術でも、建設現場で使うには制約がある。工事の進捗によって現場は日々変わる。建設現場ならではの環境下でも使えるようにするため、無人化施工のオペレーターをAIに置き換えた建設機械の自動走行システムを紹介する。(日経コンストラクション)

 自動運転車は既に公道を走行している。一方、建設機械の走行の自動化はいまだ試行錯誤の段階だ。現場で建機を工事の進捗に合わせて自動走行させるAI技術を紹介する前に、まず実績のある自動運転車やロボットの自律走行の技術を説明する(図1)。

図1■ 車やロボットの技術は現場で制約がある
図1■ 車やロボットの技術は現場で制約がある
車の自動運転技術やロボットの自律走行技術を建設現場で使ううえでの制約をまとめた(資料:知能技術)
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 自動運転車の技術で重要なのは、車両が自分の位置を絶対値もしくは相対値でリアルタイムに知ることだ。そのうえで、道路状況や近くの車両、歩行者といった周辺環境を理解し、一定速度で安全に走行する。

 自己位置の測定には、GPSに代表されるGNSS(全球測位衛星システム)を使う。一般にGNSSでは数メートルの誤差が生じる。また、位置情報の取得は基本的に1秒間に1回程度。リアルタイムでの自己位置測定はGNSSだけでは実現できない。

 さらに、GNSSを使うには上空が45度程度開放されている必要がある。トンネル内やビル群の間の道路などではGNSSデータの受信が難しい。周囲の構造物の影響で、位置情報にズレが生じる場合もある。

 自動運転車を安全に走行させるには、そうしたズレの補正が必要だ。GNSSによるデータに加えて、様々な情報を記載した細密な3次元の道路データと車両に搭載したセンサーで測定したデータとを組み合わせて補完している。