
配属部署も任された業務も自分の専門外──。立ちはだかる「未知」のハードルを乗り越えながら、土木技術者としてのキャリアを築いているのは、安藤ハザマ建設本部土木技術統括部の野口真未氏だ。
現在、同部技術第一部都市土木(開削)グループに所属する野口氏は、シールド工事の掘進管理を行うシステムの開発やたて坑の詳細設計、現場支援業務などに携わっている。必ずしも学生時代に思い描いた職務内容ではないが、持ち前の順応性で着実に成果を挙げ、同社の次世代を担う人材へと成長しつつある。
大学院で、野口氏は地質の研究に取り組んだ。修了後には建設コンサルタントなどに就職して地質調査に携わる自分をイメージしていた。だが、就職活動で大学のOBからものづくりの面白さを説かれて共感。建設会社への就職を決めた。
入社後は、学生時代の研究テーマと仕事内容とのギャップから「未知との遭遇」の連続だ。自らの土木に対する知識や理解が足りないと感じることも少なくなかったという。
例えば、新人研修でボックスカルバートを製作する課題に取り組んだときのことだ。配筋設計やコンクリートの配合設計を初めて経験。「多種多様な検討事項があることに気付かされ、土木におけるものづくりの側面を意識するきっかけになった」(野口氏)