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熊本県南関町で、太陽光発電施設の造成工事中に土砂が流出した。FIT制度の創設以降、太陽光発電施設の敷地内からの土砂流出による事故が増えている。国はガイドラインや省令で防止策の強化を急ぐ。

 2021年8月中旬の大雨で、熊本県南関町に建設中の40MW級メガソーラー(大規模太陽光発電所)の現場から、大量の土砂が農地に流出した(写真1)。事業者の南関ソーラーファーム(福岡県飯塚市)によると、流出した土砂は8000~1万m3に及ぶ。

写真1■ 南関ソーラーファームの現場内で、2021年8月に大規模な土砂流出があった沢。洪水調整池の建設を急いでいる。21年11月2日撮影(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 南関ソーラーファームの現場内で、2021年8月に大規模な土砂流出があった沢。洪水調整池の建設を急いでいる。21年11月2日撮影(写真:日経コンストラクション)
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 現場は42haに及ぶ。森林計画区域のため、森林法に基づいて県の林地開発許可を受ける必要がある。県は事業者からの申請で、土砂災害の防止、水害の防止、水の確保、環境保全の4つの基準を満たした申請書が提出されれば、許可を下ろす。

 県は防災工事の先行実施を求めていた。具体的には、敷地内の谷地形の3カ所に合計5万1000m3の洪水調整池を造った後で、造成工事に移るという条件だ。

 しかし、南関ソーラーファームは調整池の完成前に造成工事に着手。県は21年4月の履行状況調査でその事実を把握して以降、段階的に指導を続けてきたものの、8月の大雨で大量の土砂が流出した(図1)。

図1■ 再三の指導にもかかわらず造成工事を継続
図1■ 再三の指導にもかかわらず造成工事を継続
熊本県の資料や取材を基に日経コンストラクションが作成
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