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大手建設会社も、SNS(交流サイト)をはじめとした新たなコミュニケーションツールを使った広報活動に挑む。大林組は2021年10月、展示会をオンラインでライブ配信した。臨場感のあるコンテンツが好評で、業界外へのアピールにもつながった。

 ニュース番組で見るようなスタジオでのトークから、三重県伊賀市にある巨大な川上ダムの現場中継に移り、大林組の技術者がリポーターのインタビューを受ける──。同社が2021年10月20日~22日に開催した、大規模オンラインイベント「OBAYASHI LIVE SHOWCASE 2021」の一幕だ(図1)。

図1■ 大林組は同社初となるオンラインライブイベントを実施
テレビのニュース番組を想起させるセットを組んだ(資料:大林組)
テレビのニュース番組を想起させるセットを組んだ(資料:大林組)
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ライブ配信動画の一部。川上ダムでインタビューを受ける様子(資料:大林組)
ライブ配信動画の一部。川上ダムでインタビューを受ける様子(資料:大林組)
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 国内の現場に限らず、海外のグリーンエネルギーの実証実験の様子も紹介。その他、技術研究所内を探訪する動画も配信した。特筆すべきは、これら全てがライブ中継で行われたという点だ。その後、2カ月弱にわたるアーカイブ配信も実施して、延べ数千人が視聴した。

 「建設会社による展示会の完全オンラインによるライブイベントは珍しいのではないか。参加者へのアンケートでは、遠隔地にある現場を一度に見られた点や先進的なライブイベントが高評価だった」。大林組の堺雄一郎コーポレート・コミュニケーション室長はこう振り返る。

 22年で創業130周年を迎える大林組は、プレイベントとして21年に展示会を開催する企画を立てていた。当初は会場での対面とオンラインによるハイブリッド型を企画していたが、新型コロナウイルス感染症が収まらず、4月に完全オンラインへ方向転換した。

 同社がオンラインイベントでこだわったのが「ライブ感」だ。

 「編集を加えて奇麗な動画にすれば見やすいものの、単なるプロモーションビデオになり臨場感が失われる」。同社広報課の藤嶋幸平副課長はこう説明する。

 ドローンによる空撮や3Dモデルを用いた技術解説などを途中に挟むことで、ただのライブ中継で終わらせず、テレビ番組のような完成度に仕上げた。

 「オンラインによるライブイベントは今回が初めてだったので、苦労した点も多かったが、将来の広報活動につながるのではないか」と堺室長は話す。

 ライブ配信後は、期間内であれば登録者は誰でも視聴できた。大林組によると、履歴から一般の人がそれなりに視聴したと分かっている。これまでの展示会よりも、幅広い層へ訴求できたと、同社は手応えを感じている。